【ソウル=名村隆寛、ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO)の事務局長選に立候補し、最終候補に残っていた韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は5日、候補を辞退する意向を表明した。残る候補はナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相1人となった。WTOは近く理事会を開き、全加盟国・地域の合意を得てオコンジョイウェアラ氏を新たな事務局長として選出する見通しだ。
兪氏は日本政府による半導体材料の対韓国輸出管理厳格化措置への対応に関与し、同措置をめぐり日韓がWTOで争う中、昨年6月に立候補を表明。韓国初の事務局長を狙っていた。
しかし、加盟国を対象にした調査では、兪氏よりもオコンジョイウェアラ氏が多くの支持を集め、韓国国内でも当選は困難視されていた。一方、兪氏については、米国のトランプ前政権が支持してきた。
兪氏は「WTO加盟国のコンセンサスを導き出すために米国など主要国と協議してきたが、WTOの機能活性化の必要性などを勘案し、辞退を決めた」と理由を説明した。
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