2月4日午前8時過ぎ、韓国の文在寅大統領はアメリカのバイデン新大統領と電話会談した。韓国大統領府によると、「両首脳は韓米が領域内の平和繁栄において核心同盟であることを再確認」し、「出来るだけ早く包括的な対北朝鮮戦略を共に用意していく必要があるとの認識を共有」するなど北朝鮮を念頭に同盟関係を強調したという。 【画像】この事件のこのシーンは世界に衝撃を与えた また日韓関係についても、「両首脳は韓日関係改善と韓米日協力が領域内平和と繁栄に重要だということに共感」したということだ。ちなみにアメリカ側の発表では、日韓関係に関わる内容は一切無かった。 大統領就任後最初の首脳会談ということもあったのか、比較的穏当な内容になったが、ここに至るまで韓国内ではゴタゴタがあった。 今回の米韓首脳会談はバイデン氏の就任からは2週間後、日米電話首脳会談からは1週間遅れでの開催だった。何かと日本をライバル視する韓国社会では、日米首脳会談以降、いつ米韓首脳会談が行われるのかとヤキモキする空気が流れ、文政権と対立する保守系メディアからは「アメリカが韓国をスルーしているのではないか」との批判が出ていた。 韓国メディアがその原因の一つとして指摘していたのが、1月26日に開催された習近平国家主席との中韓電話首脳会談だ。
中国共産党に「お祝い」
1月20日に同盟国アメリカのバイデン新大統領が就任した直後に、米韓首脳会談もまだやっていない状況で、アメリカと対立する中国のトップと電話会談するというのは、あまりにも間が悪い。韓国メディアからも危惧する声が相次いだ。しかし韓国大統領府は「旧正月のお祝いの意味合いだ」として、批判を躱した。だが、本当の問題はタイミングではなく、会談の中身だった。 中国メディアは習主席と会談した文大統領が 「中国共産党創立100周年を心からお祝いする」 「中国の国際的地位と影響力は日々強くなっている」 「2つ目の100年(※2049年の中華人民共和国建国100年)奮闘目標の実現に向かって重要な一歩を踏み出した」 と中国共産党を礼賛する発言をしたと大々的に報じた。 この発言は韓国大統領府の発表にはないが、大統領府は中国側の報道内容を否定していない。韓国は民主主義を標榜している国家だが、その国のトップが、一党独裁で言論統制など強権的な手法も辞さない中国共産党を礼賛するというのは異例の事だ。韓国国内からも保守系を中心にこの発言を批判する声が出ているが、同盟国アメリカの中枢からも批判が飛び出した。
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