北朝鮮、サイバー攻撃で仮想通貨3億ドル盗む国連制裁委 - 毎日新聞 - 毎日新聞

　国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが、5日に制裁委に提出した報告書の中で、北朝鮮が2019年から20年にかけ、仮想通貨（暗号資産）の交換業者などへのサイバー攻撃で推計3億1640万ドル（約331億円）を盗んだと指摘した。ロイター通信が伝えた。

　北朝鮮は新型コロナウイルスの影響で国境を越えた人・物資の移動を厳しく制限しているが、これらの資金で「安保理決議に違反して核・弾道ミサイル計画を維持し、発展させている」と指摘している。

　毎日新聞が入手した報告書要旨によると、北朝鮮は情報機関である朝鮮人民軍偵察総局が主導して、外貨や軍事情報を得るためのサイバー攻撃を実施。仮想通貨の交換業者のほか、海外の防衛企業も狙われたという。仮想通貨を盗む手口はここ数年の報告書で繰り返し指摘されており、「伝統的な銀行取引と比べて追跡が難しい」（19年の中間報告書）ことなどが理由に挙げられている。

　報告書はまた、北朝鮮とイランが長距離ミサイルの開発計画で20年に重要部品を輸出するなど、相互に協力していると指摘した。イランはこれを否定しているという。【ニューヨーク隅俊之】

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