2021年04月02日07時07分
【ニューデリー時事】ミャンマー国軍によるクーデターへの国際社会の非難が強まる中、隣国のインドが対応に苦慮している。インド周辺国への浸透を図る中国との駆け引きから、ミャンマーとの関係を悪化させたくないことに加え、インド北東部の分離独立派の掃討にミャンマー国軍の力を借りるなど深い関係にあり、強い態度に出にくい状況だ。
インド政府はミャンマー問題に関し、2月1日に「深刻な懸念」を表明したが、その後、非難声明は出していない。3月27日のミャンマー国軍記念日式典には、ロシア、中国と並んでインドの代表が出席した。
インドはこれまで、ミャンマーと関係深化を図ってきた。背景には、未画定の国境をめぐり争う中国が、インド周辺国への浸透を図っていることへの対抗意識がある。
また、インド政府とミャンマー国軍は関係が深く、強い圧力をかけられない面もある。オンライン誌ディプロマットは、分離独立運動が根強いインド北東部各州の国境地帯で1993年以降、ミャンマー国軍が分離独立派掃討に協力してきたため、インド政府が「クーデターに関し表立って強く批判をしないよう配慮している」と分析した。
ミャンマーと1600キロ以上にわたり国境を接するインド北東部には、ミャンマーを逃れた市民が集まりつつあるが、インド政府の対応は冷淡だ。タイムズ・オブ・インディア紙によると、インド政府は3月10日、ミャンマー人の「不法入国」を受け入れず、速やかに送還すべきという指示を州政府に出していた。
これに対し、北東部ミゾラム州のゾラムタンガ州首相は、モディ首相への書簡で「中央政府には外交方針がある」と一定の理解を示しつつも、「極めて深刻な人道危機を無視するわけにはいかない」と強調し、指示の撤回を求めた。
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