
【グラスゴー(英北部)=板東和正】英北部グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席した首脳が、温室効果ガスの排出量が多い航空機で移動していることが議論の的になっている。気候変動対策を訴えた首脳による航空機の利用を「偽善」と非難する声が上がる一方、時間的制約の大きい首脳らを擁護する意見も出ている。
英紙デーリー・メールなどによると、COP26の議長国である英国のジョンソン首相は首脳級会合を終えてグラスゴーからロンドンに戻る際、鉄道ではなく専用機を利用した。専用機ならば移動時間を数時間短縮できるためで、英首相報道官は欧州メディアに「首相は全国を(素早く)移動することが重要だ」と理解を求めた。
しかし、ジョンソン氏は1、2日のCOP26首脳級会合で「今すぐ(気候変動対策の)行動を起こす必要がある」と訴えたばかり。英紙ガーディアンは、ジョンソン氏が10月末にローマで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)からグラスゴーに移動する際にも航空機を利用したことに触れ「偽善との非難を浴びている」と指摘した。
批判の矛先は他の首脳にも向けられている。英紙テレグラフは専用機エアフォースワンでグラスゴーから帰国したバイデン米大統領をやり玉に挙げた。専用機および同行の大型ジェット機が米欧間を往復すると約千トンの二酸化炭素(CO2)が発生するという。
同紙は、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長も専用機でグラスゴーを訪れたと指摘。同氏が欧州域内を含めた国外出張の半分以上で航空機を使っていると非難した。
近年、欧米の環境活動家らは航空機の利用を避けている。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんは2019年にスペインで開催されたCOP25に参加するため、ヨットで大西洋を横断した。
これに対し、英国の元議員は「政治家は移動時間が限られている。国際会議に鉄道やヨットで行くのは難しい」と反論した。
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