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パリ教師斬首事件━「表現の自由」の授業から殺害まで、11日間に何があったのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

10月16日、パリ近郊コンフラン=サントノリーヌで中学校の歴史と地理の教師サミュエル・パティさん(47)が刃物で首を切られて殺害された。表現の自由の授業の一環として、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せたことが原因だとされる。10月5日におこなわれた授業から殺害に至るまでのわずか11日間にいったい何があったのか、時系列でまとめた。

そもそも、どんな風刺画を見せたのか?

10月5日、歴史と地理の教師であるサミュエル・パティ氏は中学3年生を対象とした表現の自由に関する授業の中で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せた。この表現の自由に関する授業は、フランス版「ハフポスト」によれば、国に定められた正規のカリキュラムの一環だったという。 パリの地方紙「ル・パリジャン」は、この時にパティ氏が見せた風刺画のひとつは、裸で四つん這いになった姿勢の予言者ムハンマドのお尻の部分に星の絵が描かれ、「スター誕生」と余白に書かれたものだったとしている。 風刺画の描写から判断するに、2012年に制作されたアメリカの反イスラム映画『イノセンス・オブ・ムスリム』(無邪気なイスラム教徒)に対する抗議運動とアメリカ在外公館襲撃事件を受け、風刺新聞「シャルリー・エブド」が掲載したもののようだ。

生徒の親が批判ビデオを拡散

今回の事件は、この授業を問題視したひとりの保護者がインターネット上でパティ氏批判のビデオを公開したことが引き金となったとされている。 10月17日付けの「ル・パリジャン」紙の記事は、フランス国家警察に属する組織である「国土情報中央局」が公開した報告書をもとに事件の時系列を整理している。 それによると、まず、授業の翌10月7日、同中学校の校長が「イスラム嫌悪的なムード」を告発し、「年端もいかない子供たちを(…)分断する」として学校を非難する匿名のメールを受け取った。 同日、ブライム・Cという保護者がフェイスブック上に「例の教員(パティ氏のこと)に反対する運動を呼びかける」投稿をおこなう。この保護者には、2014年にイスラム国に参加した親族がいる。 彼は校長と面会し「聖なるものへの冒涜」を非難。また、報告書によれば、ブライム・Cの娘は実際には問題の授業に出ていなかったのにもかかわらず、捜査官に対しパティ氏が「ポルノ画像を頒布した」と信じさせようとしたということだった。 10月8日、ブライム・Cは中学校の住所などの情報を含む告発ビデオをインターネット上に投稿する。さらに12日、「公立中学で侮辱されるイスラムと予言者」という10分間のビデオを投稿した。2本目のビデオには娘も登場させている。 同日、ブライム・Cによる訴えを受け、警察がパティ氏に出頭を命じる。だが逆に、パティ氏のほうも名誉毀損で訴えを起こした。さらに同日、校長はパティ氏とともに一部の保護者と面会し、「フランス共和国の世俗主義と諸価値」について訴えた。 10月12日、国土情報中央局は、学校側と保護者との対話がおこなわれたことで問題は解決したと判断。事態は鎮静化へと向かったかに思われた。 ところがその4日後の16日、ロシア出身の18歳の男アブドゥラ・アンゾロヴが、パティ氏の首を刃物で切断し、殺害する事件が起こってしまった。ビデオを見たことで犯行を決意し、単独で犯行におよんだと考えられている。

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