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【主張】トランプ氏無罪 政治の迷走終わりにせよ - 産経ニュース

 米連邦議会議事堂襲撃事件を扇動したとして責任を問われたトランプ前大統領の弾劾裁判は5日間の審議で終結し、無罪の評決が下った。

 民主、共和両党が50対50の上院で、57人が有罪を支持したが、有罪評決に必要な出席議員の3分の2に届かなかった。

 攻める民主党とトランプ氏の弁護団が証人招致の見送りで合意するなど双方が長期化を避けた。共和党議員の多くはトランプ氏の影響力も考慮し、無罪を支持したとされる。

 解任のしようがない退任後の大統領に対する初めての弾劾裁判は、それ自体が事の重大性を示すはずだが、それにしてはあっさり終わった印象である。

 米国政治が昨年の大統領選以降なお、迷走のさなかにある証左であり、そのことには、留意しておく必要があろう。

 議事堂襲撃事件では、バイデン大統領を正式に選出する上下両院合同会議の作業が中断し、警察官を含む5人もの死者が出た。

 議事堂の監視カメラの映像は暴徒の侵入を受け、議員らが右往左往しながら避難する様子をとらえていた。

 平和的な政権交代を力ずくで阻もうとした暴挙である。民主主義国のリーダーを自任する米国の威信は大きく傷ついた。

 トランプ氏への無罪評決で弾劾裁判には決着がついた。ただし、それで襲撃事件が解決し、米国の汚点が消えるものではない。

 民主主義はいま、中国に代表される全体主義、強権主義の挑戦を受けている。民主主義に対立はつきものだが、暴力や過激な行動に走ってはならない。

 全体主義、強権主義に打ちかつためには、今回の騒動を教訓とすべきなのは言うまでもない。

 ペロシ下院議長は独立調査委員会を設置して真相解明に取り組む方針を示した。2001年に起きた米中枢同時テロの検証を行った調査委を参考にするという。

 なぜ、議会議事堂で暴力がふるわれたのかを明らかにするのは必要だが、調査委を政争の具とすべきではない。議会にはそもそも、弾劾裁判に時間を割く余裕はなかったはずだ。政権人事の承認や政策遂行のための法案審議を進めてもらいたい。

 バイデン政権も、新型コロナ対策や中国問題など内外の難局に立ち向かうべきである。

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