英国で流行している新型コロナの変異株がさらに、「南アフリカ型」へと変異し、衝撃が走っている。感染力が強い英国型とワクチンが効きにくい南ア型が混在したハイブリッドである。史上最強のスーパー変異株の登場に世界は戦々恐々だ。
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英国型は感染力が従来型と比べて最大1・7倍だが、既存のワクチンは有効とされている。
他方、南アとブラジル型は、感染力では英国型に劣るもののワクチンが効きにくく、再感染の恐れがある。ウイルス表面の突起部分で「E484K変異」が起き、抗体反応をかわす特徴を持っているからだ。
英国型は「N501Y変異」だ。これまで英国型で見られなかった「E484K変異」が初めて確認され、英国の専門家らは「最も懸念される変異」「変異株の『るつぼ』に発展する恐れがある」などとして、大騒ぎになっている。
抗体がかわされてしまうウイルスは究極の脅威だ。世界中が接種競争に走っているワクチンもアテにならなくなる。また、一度感染して抗体を持っても、再感染のリスクにさらされるのだ。
英国型×南ア型のハイブリッド
ブラジル・アマゾナス州の州都マナウスでは昨年3月から感染が急増し、5月以降、減少した。人口の約66%が感染して、感染拡大が収まったので、多くの人が免疫を持つことで流行が広がりにくくなる「集団免疫」状態の可能性があるとの論文が9月発表された。
ところがその後、変異株の出現で一変した。12月以降、ものすごい感染爆発に見舞われ、医療崩壊、死者続出の悪循環に陥っている。従来型に感染した者が再感染するケースも多く、同州の感染者の9割が変異株によるという。
1月25日の会見でバイデン米大統領は、ワクチン接種を加速させることで「夏までにはかなり『集団免疫』の状態に近づくことに自信を持っている」と強気だったが、ブラジルのマナウスでは、変異株はやすやすと集団免疫を突破している。ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)はこう言う。
「効くワクチンを迅速に開発することが最も重要です。ファイザーやモデルナなどのメッセンジャーRNAタイプであれば、新たな変異株に有効なワクチンも短期間で安価に開発できるはずです。WHOや各国はすぐに新ワクチン開発推進に全力を投じるべきです。なお、従来のワクチンで効かなくなる変異株は、これからも登場することは間違いない。その都度、新しいワクチンを開発する必要があります」
日本でも南アとブラジル型の変異株の感染者は確認されている。スーパー変異株の上陸に備えるべきだ。
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