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「ナスカの地上絵」 新たに168点発見 山形大の研究グループ - 毎日新聞

新たに発見された人型の地上絵(線で地上絵を強調)=山形大提供
新たに発見された人型の地上絵(線で地上絵を強調)=山形大提供

 山形大は8日、世界遺産「ナスカの地上絵」で知られる南米ペルーのナスカ台地とその周辺部で、同大の坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)らの研究グループが、新たに168点の地上絵を発見したと発表した。ドローン(無人航空機)などを活用した調査で、人間のほか、ラクダ科動物、鳥、シャチ、ネコ科動物、ヘビなどの動物とみられる地上絵を確認した。

 研究グループは、現地の考古学者らと共同で、2019年6月から20年2月にかけて、航空レーザー測量やドローンを使った調査を実施。その後のデータ分析で、168点の地上絵を発見した。地上絵は紀元前100年~紀元300年ごろに描かれたとみられる。

新たに168点の地上絵を発見したと発表する山形大の坂井正人教授=山形大で2022年12月8日午前11時45分、神崎修一撮影
新たに168点の地上絵を発見したと発表する山形大の坂井正人教授=山形大で2022年12月8日午前11時45分、神崎修一撮影

 同大は04年からナスカの地上絵の研究を進めてきた。12年には現地のナスカ市に「山形大学ナスカ研究所」を設立するなど学術調査を本格化させている。同大の研究グループが18年までに見つけた地上絵190点を含めると、計358点を発見したことになる。

 同大は米IBMワトソン研究所と共同で、AI(人工知能)を活用した地上絵の分布調査にも取り組んでいる。今回発見された地上絵のデータも今後の共同研究に活用し、地上絵の謎の解明を加速させたい考えだ。

 この日、同大で記者会見した坂井教授は「分布パターンが確認できれば、地上絵がどういう意図で描かれたかが分かるはず。地上絵が何のために制作されたかの解明につながる」と期待を込めた。【神崎修一】

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