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EUが導入目指すワクチン接種証明「グリーンパス」その本当の狙い - 現代ビジネス

「グリーンパス」とは何か

新型コロナのワクチン接種が世界一進んでいるイスラエルでは、すでに国民の6割弱が接種を済ませた。それにつれ、感染者の数は急激に減り、2月の終わりからはロックダウンも徐々に解除されてきた。

イスラエルでは、接種の終わった人は「グリーンパス」という証明を発行してもらえる。グリーンパスを所持していても、マスクの着用やソーシャル・ディスタンスは義務だが、しかし、レストランでの食事やホテルの宿泊には制限がなくなるし、スポーツクラブも、プールもOK。外国から帰ってきても、検査もなければ、自宅待機もない。要するに、自由は大幅に回復する。たいていの人は、デジタルのグリーンカードをスマホで携行している。

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そんなわけで、今、イスラエルは開放感に湧いているらしい。これまで会えなかった家族や友人がようやく会えるようになり、もちろん、国内旅行も急増。観光地も登山道も、どこも混んでいるという。

すでに2月の初め、ギリシャとイスラエルは観光を復活させるため、ワクチン接種をした人たちの検査なし、待機なしの自由な往来を進める協定を結ぶことで話し合いを進めている。両国にとって、観光業は重要なドル箱だ。

そして、このグリーンパスを、EUがそのまま真似ようとしている。

欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、ドイツで家庭婦人相、労働相、国防相を歴任し、どの任務においても素晴らしいとはとても言えない結果を残したにもかかわらず、2019年12月より欧州委員会の委員長という重職を手にした権力志向の強い女性だ。

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コロナのワクチンに関しては、EUの貧しい国にも平等にワクチンが行き渡るようにと、EUがワクチンをまとめて購入し、それを人口に応じてEU内で分配するというフェアなアイデアを押し通したが、肝心の製薬会社との交渉に失敗したため、蓋を開けてみたら、EUではワクチンが圧倒的に足りなかった。

バイオンテックもアストラゼネカも、EUで製造していたというのに、ワクチンはEUを素通りして、イスラエルやイギリスにどんどん売られていた。いまだにEUでワクチン接種が遅れているのは、フォン・デア・ライエン氏の不手際によるところも大きい。

そのフォン・デア・ライエン氏が、現在のめり込んでいるのがEUのグリーンパス。3月17日、すでに欧州委員会はそのための法案を提出した。これにより、コロナの流行にもかかわらず、自由な往来というEU市民の権利が守られるという触れ込みだ。

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