反故にされた「約束」
イスラム過激派組織タリバンがアフガニスタンを実効支配してから2カ月半が経過した。 タリバンは国際社会に対し、自らを「アフガンの正当な代表」としてアピールすべく、「女性の権利はイスラム法の範囲内で保証する」「女性も就労できる」「女子も学校に行くことができる」「誰に対しても報復しない」「全てのアフガニスタン人の安全は保証されている」「包括的政府を作る」などと数々の「約束」をしたが、それらはことごとく反故にされているのが現状だ。 【画像】アフガニスタンの空港で発生した自爆テロにより多数の犠牲者が病院に運び込む救急車 首都カブールの女性公務員はほぼ全員が仕事を奪われ、「女子トイレの清掃」といった女にしかできない仕事のみが許されると市当局は発表した。ほとんどの地域では女子に許されているのは小学校への登校のみで、中学、高校への通学は禁じられたままである。 女性警官や女子スポーツ選手の他、旧政府関係者や同性愛者などが拘束されたり惨殺されたりしているという報告も相次ぎ、アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウオッチなどの国際人権NGOはタリバンが少数派ハザラ人から家屋や畑を奪い強制移住させていると報告している。タリバンはイスラム教スンニ派であり、ハザラ人はシーア派だ。
統治能力の欠如
問題はこうした人権侵害だけにとどまらない。タリバンにはそもそも、統治能力というものが完全に欠如している現実も明らかになってきている。 タリバンはアフガンを「占領」する米軍に対する憎しみを煽り、米の傀儡政権である旧政府の腐敗・不正を強調し、暴力とテロを武器に「敵」を倒してアフガンの実効支配に至ったものの、今や4000万人のアフガン国民を守り、衣食住を確保し、インフラを整備してその生活を支え、経済を立て直して国を再建しなければならない責任を負う立場に立たされている。 しかしタリバンにその能力がほぼ完全に欠落していることは、末端のタリバン兵たちも証言している。彼らは米軍を追放し米の傀儡政府を打倒するための「ジハード」に参加すべくタリバン入りしたものの、タリバンからはほとんど給与をもらえず日々の食料にも事欠く状況に置かれている。役人や教員にも給与が支払われない状況が続き、これもアフガンで教育が滞っている一因となっている。
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