【モスクワ=工藤武人】ロシア外務省当局者は26日、タス通信に対し、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)との高官協議について、NATOから来年1月12日の開催を打診され、ロシア側が検討中だと明らかにした。ロシアがウクライナへの軍事的な圧力を維持する中、対話実現に向けた調整が本格化してきた。
高官協議は双方の政治対話の枠組み「NATOロシア理事会」で行われる見通しだ。ロシアとNATOの関係はウクライナ情勢などを巡って冷え込んでおり、協議開催が実現すれば2019年以来となる。
アレクサンドル・グルシコ露外務次官は26日、タス通信に、NATOとの協議に関して「協議の枠組みや時期、出席者について検討している」と述べ、協議には軍高官の出席を求めていることを明らかにした。
ロシアは今月中旬、NATOと米国にそれぞれ、NATOにウクライナなど旧ソ連構成国を加盟させない確約などを求める条約案を提示しており、高官協議の主要議題にしたい考えだ。 ただ、NATO側は、NATO不拡大の確約を拒否する姿勢を鮮明にしており、協議は難航が予想される。
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