【カイロ=酒井圭吾】エジプト政府は14日、カイロ近郊のサッカラで、約2500年前の古代エジプト時代に埋葬されたとみられる木製のひつぎ100基以上が見つかったと発表した。ひつぎの内部にはミイラ化した遺体が納められているとみられ、考古学省は「保存状態も良く、今年最大の発見」としている。
発掘現場は「階段ピラミッド」近くで、深さ約12メートルの縦穴3か所だ。彫像などの副葬品も見つかった。盗掘被害に遭った形跡はないという。
ひつぎの表面には色鮮やかな文様が施されている。14日は、現地でひつぎの一つにエックス線を照射して内部を調べる様子が記者団に公開され、内部のミイラは裕福な階級の40歳代男性と推定された。ひつぎや副葬品は、カイロ近郊のギザで来年開館予定の「大エジプト博物館」など4か所に移送される予定だ。
エジプトでは、不安定な治安や新型コロナウイルス禍で観光客が激減しており、政府は起爆剤として古代遺跡の発掘や公開に力を入れている。サッカラでは10月にも、役人の埋葬に使われたとみられるひつぎ59基が見つかった。
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