【モスクワ＝田村雄、ベルリン＝石崎伸生】ロシア外務省は５日、ドイツ、スウェーデン、ポーランドの駐露外交官計３人を国外に追放すると発表した。反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議デモに参加したためとしている。３か国や欧州連合（ＥＵ）は反発している。
露側の説明によると、３人は１月２３日、デモに参加した。露外務省は「外交官の立場にそぐわない」としている。
これに対しメルケル独首相は５日、「不当だ。法治主義からかけ離れている」などと非難した。ハイコ・マース外相は５日、追放対象となった外交官は情報収集のために活動していたとし、合法性を強調した。
ロイター通信によると、スウェーデン外務省の報道官は５日、「外交官がデモに参加したとの主張を否定する」と述べた。ポーランド外務省はロシアの駐在大使を呼び出して抗議し、ロシアが追放決定を見直さなければ対抗措置を取る考えを示した。
ＥＵのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表（外相）によると、ボレル氏は５日、モスクワで行ったセルゲイ・ラブロフ露外相との会談中に今回の決定を知らされた。ボレル氏は５日の声明で、決定を「強く非難した」とし、見直しを求めた。
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