ヴァチカン市国を訪問中のジョー・バイデン米大統領は29日、現地のフランス大使館でエマニュエル・マクロン仏大統領と会談し、オーストラリアとフランス間の潜水艦建造契約の破棄につながった米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」について、「不器用な対応をしてしまった」とマクロン氏に述べた。
米英豪が9月に発表した「AUKUS」の枠組みのもと、米政府はオーストラリアに原子力潜水艦の技術を提供すると発表。オーストラリアは独自の原子力潜水艦建造が可能になった。ただし、オーストラリアは2016年にフランスに対し、370憶ドル相当の潜水艦建造を発注しており、この契約を失うことになったフランス政府は9月当時、駐豪大使を召還するなど、米豪両政府に強く抗議していた。
バイデン氏はマクロン氏との会談で、「自分たちの対応は不器用だった。(潜水艦建造契約は)実行されないと、フランスはもうとっくの昔に知らされていると思っていた。神かけて本当だ」と述べ、フランスへの配慮に欠けていたことを認めた。
マクロン氏はこれに対して、「将来を見据える」ことが大事だと答えた。
米英豪が主に対中防衛を念頭に結んだAUKUSを発表して以来、両大統領が会うのは初めてだった。
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首脳会談後にマクロン氏は報道陣に、「信用は愛情のようなものだ。口で表明するのも良いが、行動で証明する方がなお良い」と述べた。両首脳はほかに、気候変動や西アフリカでの対テロ活動、欧州防衛などについても話し合ったという。
バイデン氏は、30日にローマで始まる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)や、31日に英スコットランドで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて、欧州を訪れている。
ローマ教皇と会談
欧州入りしたバイデン氏はこの日、まず教皇庁でフランシスコ教皇と会談した。
カトリック信者のバイデン氏は90分にわたり教皇と面会し、気候変動や貧困、飢餓や人権侵害、パンデミックなどについて教皇が率先して解決を呼びかけていることに感謝した。
バイデン氏は教皇に記念硬貨を贈呈し、「これほど大切な平和の戦士に会ったことがない」とたたえた。
硬貨の背面には、米デラウェア州兵軍の徽章が刻まれていた。バイデン氏の長男、故ボー・バイデン氏が生前、この部隊に参加していた。
バイデン氏は次に教皇と会った時に、この硬貨を教皇が持っていなかったら、「飲み物代を払うのは」教皇だと冗談を飛ばした。
教皇はバイデン氏にセラミックのタイルと、カトリックの教義に関する自分の近著を渡した。
バイデン氏はこの後、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領とマリオ・ドラギ首相と会談した。
フランシスコ教皇はBBCのために録音したメッセージで、COP26に臨む各国首脳は将来世代に「確固たる希望」を与えるため、有意義な合意を取りまとめるよう呼びかけた。
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