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異例の選挙戦、審判の日 混乱警戒で店舗休業も - 日本経済新聞

2日、ニューヨークで店舗のガラス窓をベニヤ板で覆う作業員=ロイター

2日、ニューヨークで店舗のガラス窓をベニヤ板で覆う作業員=ロイター

【ワシントン=永沢毅】新型コロナウイルス下の米大統領選は異例ずくめの選挙戦となった。党大会など節目の重要イベントはオンライン開催への変更を迫られ、新型コロナに感染したトランプ大統領が退院後に大規模集会を続行したのに対し、バイデン前副大統領は感染防止対策を優先した。

2日には支持者同士の小競り合いや暴力をあおるかのようなトランプ氏のツイートもあった。根深い党派の分断で投票日を迎えた街にはかつてない緊張が高まっている。

「4年前よりもはるかに強い立場にいる。素晴らしい選挙になる」。共和党候補のトランプ氏は2日、訪問先の中西部ウィスコンシン州で記者団にこう語り、強気の姿勢を崩さなかった。民主党候補のバイデン氏は東部ペンシルベニア州の集会で「今こそ立ち上がり、民主主義を取り戻すときが来た」と勝利に自信を示した。

新型コロナによって選挙戦の様相は様変わりした。バイデン氏陣営は感染対策の一環で戸別訪問は見送った。選挙集会も支持者が車で会場に乗り入れ、そのまま演説を聞く「ドライブイン」形式の手法を多用した。戸別訪問と集会は票掘り起こしのための重要な手段だ。

トランプ氏の陣営は従来と変わらず戸別訪問を実施。会場を換気の良い屋外にするなど一定の配慮をしながらも大規模な選挙集会を続けた。ただ、両陣営とも8月の党大会は事実上のオンライン開催に変更を余儀なくされ、盛り上がりを欠いた。

3回を予定していたテレビ討論会はトランプ氏の新型コロナ感染のあおりで2回となった。1回目の討論会でトランプ氏がバイデン氏の発言を遮る場面が目立ち非難の応酬に発展。一部メディアによって「史上最悪の討論会」と酷評された。

トランプ氏の感染で、一時は大統領が職務を継続できなくなった場合の権限委譲が取り沙汰される事態となった。勝利すれば大統領としては史上最高齢となるバイデン氏も判断能力や適格性が攻撃対象になった。

投票日の当日は両候補は屋内の大規模会場を借り切って集会を開くのが通例だ。今回はトランプ氏がホワイトハウス、バイデン氏は地元の東部デラウェア州で招待者を限定したイベントを開催するだけにとどめる。

首都ワシントンやニューヨーク市中心部では2日、目抜き通りの大半の店舗が1階のショーウインドーを板張りにし、臨時休業とした。選挙結果に不満を持つ有権者が暴徒化し、略奪に走る可能性に備えたものだ。

近年の大統領選でこうした措置がとられるのは例がない。黒人暴行死事件を受けて初夏に全米各地に広がった抗議活動では商店のガラスなどが破壊され、商品を略奪されることもあった。

実際、投票を目前にして不穏な動きも表面化している。1日はニューヨーク州と東部ニュージャージー州にある橋や幹線道路の数カ所でトランプ氏の支持者がデモの一環で複数台の車を停止し、道路を占拠した。交通渋滞を引き起こした。首都ワシントンのホワイトハウス前では2日夜、中絶の是非を巡る小競り合いが起きた。

虚偽を含んだり、攻撃的だったりするトランプ氏のツイートも度々非難の的となった。2日には、最高裁がペンシルベニア州での郵便投票の受付期限延長を認めたことに対し、「とても危険な判断だ」と主張。「不正が横行して法制度を脅かす。街頭での暴力も引き起こす」と書き込んだ。ツイッターはこの投稿に「誤解を招く可能性がある」との警告文を付けた。暴力をあおっていると危惧したとみられる。

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