欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は、ロシアがウクライナ国境周辺と、併合したクリミア半島に15万人以上の兵力を集結させていることを明らかにした。そのうえで、状況がさらに悪化する危険性が明白だとして危機感をあらわにした。 EUはこれより先に、外相会合でウクライナのクレバ外相から状況説明を受けた。 ボレル氏は、ウクライナ国境での軍備増強は過去最大規模であるとしながらも、当面は新たな経済制裁やロシア外交官の追放などは予定していないとした。 ウクライナのクレバ外相はEUに対し、ロシアに新たな制裁を加えるよう求めた。 一方、米国防総省はロシアの軍増強規模が2014年時を上回るとし、演習目的かどうか定かではないと指摘。 ある米当局者は匿名で、軍増強は数万人規模だとし、15万人以上という情報は知らないと述べた。 国務省のプライス報道官は声明で、黒海の一部海域で外国艦艇などの航行を制限するロシアの計画に懸念を示し、「ウクライナを不安定化させるロシアの一方的なエスカレートだ」と非難した。 ロシアは14年に併合したクリミア半島付近で外国の軍艦や「その他国家の艦艇」の移動を一時的に制限している。
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