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FNNプライムオンライン
10月、日本には、アメリカ軍の「遠征洋上基地」という聞き慣れない軍艦が姿を見せた。 そのアメリカは、フランスとの関係がこじれている。 東アジアの安全保障に、どのような影響があるのだろうか。 10月6日、沖縄県に現れたのは「ミゲル・キース」。 「遠征洋上基地」と呼ばれる軍艦の1つで、5月に就役したばかり。 中心には、広い飛行甲板があり、それを何本もの太い柱が支えている。 フジテレビ・能勢伸之解説委員「『ミゲル・キース』は、オスプレイやヘリコプターを運用できるだけでなく、ほかの艦船や地上への物資補給も可能です。沖縄、佐世保、岩国とアメリカ海兵隊がらみの基地に姿を見せていて、この動きは、海兵隊の上陸作戦の支援を視野に入れているのかもしれません。さらに、艦内には指揮統制機能もあり、高速ゴムボートの出し入れもできるので、特殊部隊の海上基地にもできるかもしれません」 こうした中、「ウォールストリート・ジャーナル」は、「アメリカの特殊作戦部隊や海兵隊に所属するおよそ20人が、極秘で少なくとも1年間、台湾軍の訓練を現地で行っている」と報じた。 台湾をめぐるアメリカ軍などの活動に対して、中国も黙ってはいない。 10月に入って、中国軍の戦闘機などが、過去最多のペースで、台湾の防空識別圏に進入。 この米中のつばぜり合いに存在感を示したのが、フランス。 パルリ国防相は12日、「緊張が高まっている台湾情勢を懸念している」とし、情報収集艦「デュプイ・ド・ローム」を台湾海峡に派遣したと明らかにした。 一方で、アメリカとフランス。 この両国の関係も緊迫している。 きっかけとなったのは、アメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国による、新たな安全保障の枠組み「AUKUS」の発足。 この中で、アメリカとイギリスは、オーストラリアに原子力潜水艦技術を提供することになった。 それにともない、オーストラリアは、フランスと進めていた潜水艦の開発計画を破棄。 フランスは、バイデン政権を強く非難し、大使を召還。 不快感をあらわにした。 一気に悪化した、アメリカとフランスの関係。 10月末のG20(20カ国・地域)サミットで、首脳会談を行うことになったが、関係修復につながるのか。 フジテレビ・能勢伸之解説委員「電波・通信傍受が任務のフランスの情報収集艦が台湾海峡に展開すれば、中国軍機の通信も傍受されると中国側が判断しても不思議ではありません。フランスが収集したデータがアメリカの電子戦機部隊に渡されれば、中国軍機同士の通信を妨害することも可能となりかねません。つまり、フランスは台湾海峡の緊張への懸念を言葉としてあらわすと同時に、中国の航空戦力をけん制したのかもしれません。『AUKUS』に反発を見せたフランスですが、対中国の安全保障の面でアメリカに歩み寄っているなら、米仏首脳会談でも何らかの妥協が図られるかもしれません」
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