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「眠らぬ街」復活か ニューヨーク、経済活動を再開へ [新型コロナウイルス] - 朝日新聞デジタル

 米国で新型コロナワクチンの接種が急速に進むなか、ニューヨーク(NY)市が7月1日にも経済活動を全面再開させる方針を示した。感染拡大の中心地だったNYは、これまで飲食店の営業などで厳しい制限が課せられてきた。「眠らない街」といわれた都市は、元の姿を取り戻すことができるのか。(ニューヨーク=藤原学思、真海喬生)

 「NY市における完全な経済活動の再開について、目標を設定すべきときが来た。7月1日だ」

 デブラシオ市長は4月29日、会見でそう発表した。「みなさんがワクチンを受けているからだ。トンネルが終わる光が見える」。実現すればオフィスや飲食店、文化施設の人数制限が約1年4カ月ぶりになくなる。

 NY市では、疑いも含めれば全市民の1割以上に当たる92万人が新型コロナに感染し、3万2千人以上が死亡した。一時は24時間で新規感染者が6千人を超えたこともあったが、現在は1千人台で推移し、減少傾向が続いている。

 NYでは昨年12月中旬、医療従事者や高齢者施設の入所者を対象にワクチンの接種が始まった。それから一般高齢者、疾患を抱えている市民と徐々に対象を拡大。16歳以上の市民は現在、予約なしでワクチンを受けることができる。

 市が掲げる目標は「6月までに500万人の接種完了」。これまでに18歳以上の5割強にあたる350万人が少なくとも1回の接種を終えており、達成は十分可能なペースだ。

 ワクチン接種会場は大リーグヤンキースの本拠地や、市内最大規模のコンベンションセンターにも設置された。4月23日には、アメリカ自然史博物館内の、長さ29メートルに及ぶ等身大のクジラの模型下にもできた。接種後には4人分の博物館入場券がもらえるというオマケ付きだ。

拡大する写真・図版新型コロナウイルスのワクチン接種会場は、アメリカ自然史博物館にある等身大のクジラの模型の下にもできた=4月23日、米ニューヨーク、同館提供

疲弊した街にともる希望

 文化や経済の中心地であるNY市には2019年、過去最多の6660万人が訪れた。だが、新型コロナの影響で20年は2230万人と3分の1の水準になり、21年も3640万人と予想されている。以前は700あった宿泊施設のうち約200が閉まった。

 NYの観光業は40万人の雇用を生み、700億ドル(約7兆6千億円)もの経済効果を地域にもたらしてきた。壊滅的な打撃を受けた業界を支えようと、市は6月から、3千万ドルをかけてマーケティングキャンペーン「NY市再覚醒」を始める。

 特に再開が待たれるのはブロードウェーだ。すでに1年以上公演が休止されている。デブラシオ氏は9月までに再開したい意向を示している。

拡大する写真・図版ブロードウェーの劇場は1年以上、公演が休止されている=昨年10月、米ニューヨーク、藤原学思撮影

 中心部のタイムズスクエアには4月、劇場関係者のためのワクチン接種会場ができた。ミュージカル「ハミルトン」で脚本と作詞作曲、主演を担ったリン・マニュエル・ミランダ氏はその際の会見で、「また集まりたい。暗闇の中で物語をつむぎたい。安全だと思えなければ、それはできない」と声を震わせた。

 「眠らない街」の象徴として24時間運行を続けていた地下鉄は、コロナ禍で未明の4時間を消毒に充てていたが、現在の運行休止時間は1日2時間。4月8日にはコロナ禍で初めて1日の乗客数が200万人を超え、ようやくコロナ前の4割ほどの水準になった。

 NYの魅力の一つである「食…

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