台湾が中国の妨害により独ビオンテックの新型コロナウイルスワクチン契約ができなかったと明らかにした。最近新型コロナウイルスの感染拡大傾向が強まっている中でワクチン確保が困難となり中国に向け直撃弾を飛ばしたものと分析される。 台湾の蔡英文総統は26日、与党民進党の会議で「ビオンテックのワクチンはドイツの開発元メーカーと契約締結が近かったが、中国の介入により現在も契約できずにいる」と話したとロイター通信が報道した。 台湾は2月にビオンテックとワクチン購入契約締結直前段階まで行ったが、ビオンテック側が突然これを翻意した。 当時台湾政府は中国側の圧力が作用したものと示唆したが、中国を直接非難したのは初めてだとロイターは伝えた。 ビオンテックは米ファイザーと共同で予防効果が世界最高である新型コロナウイルスワクチンを開発し生産している。 台湾は最近市中感染が広がっており、ワクチン確保が差し迫った問題となっている。 台湾がビオンテックのワクチンを供給される問題には中国企業が関連している。 中国の製薬会社の復星医薬グループはビオンテックと契約を結び、ビオンテックのメッセンジャーRNA(mRNA)技術を使って中国本土と香港、マカオ、台湾で独占し新型コロナウイルスワクチンを開発して商用化することにした。 ビオンテックは他の国では開発・供給パートナーとして米ファイザーを置いている。 復星医薬は台湾にワクチンを供給できるという意向を最近明らかにした。 しかし蔡総統はこの日「開発元のメーカーから直接ワクチンを購入したりCOVAX(ワクチン共同購入・配分国際プロジェクト)を通じて購入交渉をするだろう」と話した。 蔡総統は「開発元のメーカーと購入交渉をしてこそワクチンの品質と安全性に対する開発元メーカーの直接的な保証を受けられ、法律的、政治的リスクを避けることができる」と説明した。 蔡総統は台湾が英アストラゼネカと米モデルナのワクチン購入に成功したとし、台湾がすでに購入したワクチンが3000万回分に近いと話した。 台湾の人口は2300万人を超えるがワクチン接種は70万回ほどにとどまっている。 一方、ビオンテックは蔡総統の発言に対する立場は出さず、「われわれはグローバルワクチン供給を支持する」とだけ明らかにした。 中国外交部の趙立堅報道官はこの日「台湾が中国からワクチンを確保するチャンネルは開かれている」と話した。続けて台湾がワクチン問題を政治的に利用すれば袋小路に入ることになると警告した。
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