2021年03月30日07時10分
国軍による市民弾圧が深刻化するミャンマー情勢をめぐり、政府が対応に苦慮している。国軍とのパイプを生かし事態の改善を探るが、米欧が制裁を発動、強い姿勢を示しているためだ。4月の日米首脳会談で米国から同調を求められれば、菅義偉首相は難しい立場に立たされそうだ。
ミャンマーでは2月に国軍が権力を掌握して以降、クーデターに反対するデモ隊を弾圧。国軍記念日の27日には死者が100人以上に上るなど弾圧は激しさを増している。米国と欧州連合(EU)、英国は対抗措置として、既に国軍幹部らへの制裁を科しており、追加制裁も検討中だ。
バイデン米大統領は28日、国軍を非難した上で、新たな制裁措置の発動を示唆した。
これに対し、日本は米欧の行動に同調することに慎重な立場を崩していない。茂木敏充外相は28日、国軍の弾圧を「強く非難する」との談話を発表。加藤勝信官房長官も29日の記者会見で、同様のコメントを繰り返したが、記者団から制裁の必要性を指摘されると言及を避けた。
背景には、日本が長年にわたり軍政との関係を維持し、クーデター後も国軍幹部との接触を通じて民主体制への復帰などを働き掛けていることがある。制裁にかじを切れば、「ミャンマーが中国寄りとなる」(外務省幹部)との懸念もある。
ただ、日本による水面下の動きが事態の改善につながっているようには映らない。特に、人権重視の姿勢を示すバイデン政権との立場の隔たりは広がるばかりだ。
4月の日米首脳会談では、ミャンマー情勢も議題に上る可能性がある。政府内には「バイデン氏から制裁で足並みをそろえるよう求められる」(外務省幹部)との見方があり、訪米の成果を強調したい首相は難しい選択を迫られる。
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