
【上海=三塚聖平】中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区でのイスラム教徒少数民族に対する人権侵害の問題をめぐり、中国と欧米諸国との亀裂が鮮明になっている。欧州連合(EU)が中国政府当局者らへの制裁を発表したことに対し、中国は「内政干渉」と猛反発し、すぐさま対抗措置に打って出た。中国は、ロシアや北朝鮮といった友好国に接近し、高まる米欧の圧力に対抗する構えも見せている。 中国外務省は22日夜、EUが対中制裁の発動を決めたことを受けるとすぐ、対抗措置としてEU当局者ら10人と4団体に制裁を科すと発表した。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は23日付の社説で「いかなる中国の利益侵害や内政干渉の行為も、断固たる報復を受ける。相手が誰であろうと、少しの例外もない」と強調した。 EUによる対中制裁は、前身機構による1989年の天安門事件を受けた武器輸出禁止以来、初めてだった。天安門事件当時、米欧による制裁を受けて中国は経済的にも大きな打撃を受けているが、今回も強権統治が米欧との軋轢(あつれき)を生むこととなった。 今後、欧米とのさらなる関係悪化につながりそうなのが香港情勢だ。今月29日から30日に、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会の会議が開かれることが決まった。11日に閉幕した全人代で採択した香港の選挙制度見直しに関する決定を受け、具体的な改正作業に着手することになっている。香港の民主派を完全に排除する選挙制度導入に向けた作業が中央主導で進められるため、欧米各国による批判を招くのは必至だ。 中国は欧米からの圧力に対抗するため、伝統的な友好国であるロシア、北朝鮮の3カ国で連携を深める姿勢を見せている。 中国の王毅国務委員兼外相は22日、中国南部の広西チワン族自治区桂林でロシアのラブロフ外相と会談した。中国側の発表によると、両外相は「米国は、一方的ないじめ行為や、他国の内政への干渉をやめるべきだ」との考えを一致して表明している。 また、習近平国家主席は22日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記とメッセージを交換したと報じられた。習氏は「朝鮮半島問題の政治的解決の方向を堅持し、半島の平和と半島を守りたい」と強調し、両者は両国関係をさらに発展させる方針を確認した。
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