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上海ロックダウンで「飢える」市民の叫び...なぜ、こんなに「無計画」だった? - Newsweekjapan

<徹底したゼロコロナと、無計画で厳重すぎるロックダウンで市民の生活が麻痺。「飢餓」が迫る上海の人々の声>

集合住宅の敷地で山菜や木の根、タケノコなどを掘って食べないように──。3月末に上海の複数の植物学者が新華社通信の記事で、上海市民に対してこんな注意を促した。毒で命を落とす危険があるからだ。

実際に、集合住宅の共有スペースに生えていた山菜を食べて体調を崩したと訴える人も出ている。1958年夏から61年初頭にかけて大躍進運動の時代に中国が大飢饉に直面し、飢えた人々が木の皮を剝いで食べたという絶望的な光景さえ浮かんでくる。

上海で新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大規模なロックダウン(都市封鎖)が始まってから1カ月以上。ソーシャルメディアには絶望と悲劇があふれている。4月7日に中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で、妊娠6カ月の女性が2日分の食料しか残っていないから助けてほしいと隣人が投稿し、5万回以上シェアされた。

俳優のリー・リーチュンは配信した動画の中で、自宅にある食料は1日1食でぎりぎりだと語っている。ロックダウン前の食費は1日100元(約15ドル)足らずだったが、今は2000元でも1日分しか買えない──もし手に入るとすれば、だが。

4月12日には、華東師範大学第二村というコミュニティーの住人が助けを求める手紙がネットで拡散された。4月1日に封鎖が始まって以来、コミュニティーに物資が届いたのはわずか1回で、一人暮らしの高齢者は食べるものも水もないと訴えていた。

問題は解決どころか累積している

似たような話は至る所にある。上海のロックダウンの過酷さを白黒の映像と音声でつづる動画「ボイス・オブ・エイプリル(4月の声)」が中国国内のプラットフォームに投稿されて注目を集めたが、検閲で削除された。

場当たり的な封鎖から始まったロックダウンは厳重になる一方で、皮肉なことに、問題を解決するというより累積させている。

中国は2020年に新型コロナの感染拡大が始まって以来、「ゼロコロナ」を掲げて厳格な「ゼロトレランス(寛容ゼロ)」政策を取ってきた。しかし、その中で上海は常に、より緩やかで「精密な予防」戦略の最前線にいた。

今年3月中旬にも複数の報道が、「ノーロックダウン、ノーストップ」の手法はパンデミックの経済および社会発展への影響を最小限に抑え、上海のソフトパワーが発揮されていると自画自賛していた。

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