米ニューヨーク州バッファローのスーパーマーケットで5月14日(現地時間)、同州出身の白人、ペイトン・ゲンドロン(18)が銃を乱射し、13人が死亡した。エリー郡保安官は「人種的な動機によるヘイトクライムだった」と語った。ゲンドロンは犯行を米Amazon傘下のTwitchでライブストリーミングした。
ゲンドロンは警察に逮捕され、勾留後、殺人容疑で起訴された。エリー郡地方検事局によると、有罪判決を受けた場合、仮釈放なしの終身刑が確定する。
TwitchはNPRや米CNNなどに対し、犯行のライブ動画がストリーミングされ始めてから2分以内にこれをオフラインにし、配信したアカウントを無期限停止にしたと語った。
「このコンテンツを再配信するアカウントの監視を含め、あらゆる適切な措置を講じている」としている。
だが、米MetaのFacebookやTikTokを検索したところ、本稿執筆現在でも動画の少なくとも一部が残っていることが確認できた(その後削除された)。動画はファーストパーソン視点で、床に倒れた人にライフルを向けているシーンもあった。
事件を受けての記者会見でニューヨーク州知事のキャシー・ホークル氏は「ソーシャルメディアプラットフォームは、法的ではないにしても道徳的に、こうした犯罪の共犯者になる可能性を自覚し、監視を行う責任を負う必要がある」と語った。
欧州連合は4月、違法で有害なコンテンツに関するオンラインプラットフォームの説明責任に関する「Digital Services Act(DSA:デジタルサービス法)」で合意した。
欧州委員会の競争政策担当コミッショナー、マルグレッタ・ヴェスタヤー氏はAP通信に対し、こうしたライブ配信を根絶するのは難しい挑戦になるだろうと語った。「こうしたライブ配信が開始した瞬間に遮断するのは本当に難しい。100%合法的なライブ配信が多数あるのだから」「だが、プラットフォームもわれわれも取り組み続ける」(ヴェスタヤー氏)
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