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史上最大のワクチン接種作戦-新型コロナのパンデミック終息に至るか - ブルームバーグ

史上最大のワクチン接種作戦が始まった。英国は2日、米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの使用を世界に先駆けて許可した。米国もこれと同じワクチンと米モデルナのワクチンを近く承認する公算が大きい。

  2020年末までには世界の数千万人が新型コロナのワクチンを接種済みになるかもしれない。来年にはさらに数十億人が加わるだろう。

  ブルームバーグは世界で最も有望なワクチン候補9種について、各国の購入契約から接種状況までをモニターしている。当社の計算では、既に少なくとも78億5000万回分が割り当てられている。

  多くのワクチンは2回の接種が必要だが、割り当て済み分は公平に分配されれば世界の全人口の半分に行き渡る量だ。しかし、そうなる可能性は低い。豊かな国は念のために大量の供給契約を確保している。また、超低温で保管する必要性は一部のワクチンの遠隔地への輸送を困難にする。

  我が道を行く国もある。中国とロシアは7月、治験完了前の段階でワクチンを承認した。これらを含む計5種類のワクチンが3つの国で現在、利用可能になっている。

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  過去1世紀で最悪のパンデミック(世界的大流行)から抜け出したい各国は、ワクチン確保の契約を結んだ。2回の接種が必要なアストラゼネカのワクチンは14億8000万人分が予約購入されており、他のどのワクチン候補よりも多い。

  ワクチン確保の戦略はさまざまだ。米国は全て単独契約だが、数十カ国は世界保健機関(WHO)主導の共同購入枠組み「COVAX」を通じて供給を受ける。また、メキシコの富豪カルロス・スリム氏の仲介で、中南米諸国の大半はワクチンを比較的安価に入手できる見込みだ。

  ブルームバーグは80件余りのワクチン供給契約を把握している。ここにはワクチンの製造元と何回分が供給されるか、どの国が供給を受ける見込みかが明らかになっている契約のみが含まれる。こうした契約の枠外でも数十億回分のワクチンが製造される見通し。22億回分の製造を請け負っているインドは他国にも供給する計画だ。

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  新型コロナワクチンは通常なら何年もかかる開発期間を縮め、記録的なスピードで市場に供給されようとしている。これを可能にした要因の一つは、米国など豊かな国からの資金だ。米政権の「ワープスピード作戦」は6つの新しいワクチンの開発と製造を資金面で支えた。

  富がこうした国をワクチン獲得の先頭に立たせた。ヘッジとして複数の製造業者と供給契約を結ぶ国もある。カナダは3800万人の国民のために6社から2億4600万回分のワクチンを確保している。これはCOVAXを通じた分を除いた数字だ。

  ロシアと中国はそのような契約は結ばず、国内で製造されたワクチンに頼る作戦だ。ロシアは国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発した「スプートニクV 」、中国は国有の中国医薬集団(シノファーム)が開発したワクチンを利用する計画。中国は政府が複数の国内メーカーに何回分を注文したかを明らかにしていないが、これらのメーカーは国民に必要な量を供給するとみられている。

  新型コロナはまだ猛威を奮っている。感染が始まってから、世界で少なくとも150万人が死亡し、ここ数週間は米国で新規感染者数と死者数が繰り返し最多を更新している。

  パンデミックを終わらせる最善の手段は効果的なワクチンだ。感染拡大を止めるため十分な人数に接種を受けさせるための物流を含む一連のプロセスは、過去最大級の課題となる。

原題: Tracking the Coronavirus Vaccines That Will End the Pandemic(抜粋)

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