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ミャンマー国軍弾圧を報道側批判「危険感じるが、世界に伝える」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

デモ隊をけん制する警察官ら=ミャンマー・ヤンゴンで2月26日、AP 拡大
デモ隊をけん制する警察官ら=ミャンマー・ヤンゴンで2月26日、AP

 ミャンマー国軍が、クーデターに抗議するデモ隊だけでなく、報道への圧力も強めている。抗議デモを取材する記者を訴追し、意に沿わない報道をするメディアには事業許可を取り消すと警告する。地元記者は恐怖と向き合いながら「今こそ現状を伝えなければ」と自らを奮い立たせている。

 「記者を逮捕してカメラを奪え」。地元テレビ「ミッジマ」の男性記者(37)はデモ現場で、警察官が部下に指示を出しているのを聞いた。その後は、自身の職業を悟られないように気をつけながら、取材を続けている。記者は、毎日新聞助手の取材に「ミャンマーで起きていることを世界に知らせなくてはいけない。危険は感じるが、クーデターを受け入れることはできない」と力を込めた。

警察から逃げる記者とデモ参加者=ミャンマー・ヤンゴンで2021年2月27日、ロイター 拡大
警察から逃げる記者とデモ参加者=ミャンマー・ヤンゴンで2021年2月27日、ロイター

 国軍は、国営メディア以外の独立系メディアを、市民によるデモを拡大させる「敵」とみなしているようだ。国軍は「現行憲法に基づき国家の責任を引き継いでいる」と主張し、メディアに「クーデターや軍事政権などの表現を使わないように」と指示。ミンアウンフライン最高司令官は「『クーデターを起こした政権』という表現を繰り返すメディアの事業許可を取り消す」と警告する。

 だが、多くの独立系メディアは、国軍側の主張を「憲法が保障する報道の自由に反する」と非難し、自由な報道を行うと表明。「クーデター」や「軍政」という言葉を使い続けている。日刊紙「ボイス」の男性記者(30)も、使命感を持って報道を続ける記者の一人だが、「今後はさらに表現の自由が奪われ、軍の意向に沿う仕事しかできなくなるのではないか」との懸念が消えないという。

 ミャンマーでは2011年の民政移管後に言論統制が緩和されたが、政府がメディアに向ける視線は厳しい。アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)政権下の18年には、ロイター通信のミャンマー人記者2人が少数派イスラム教徒ロヒンギャへの迫害に関する取材を巡り、禁錮7年の判決を受けた。国際社会の批判を受け、政府は19年に記者を釈放している。

 人権団体「政治囚支援協会」(AAPP)は今月2日の声明で、クーデター後に記者34人が社会に混乱をもたらす言論を禁じた法律違反などで拘束され、半数以上が解放されていないと訴えた。【バンコク高木香奈】

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