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ブラジルで新型コロナウイルスの死者50万人に - BBCニュース

People visit a cemetery in Manaus, Amazonas State, Brazil, on 9 May

画像提供, Getty Images

ブラジルで19日、新型コロナウイルスによる死者の数が50万人を超えた。アメリカに次ぐ世界2番目の死者数。ブラジルの感染拡大はワクチン接種の遅れと冬の到来で、さらに悪化するおそれがあると複数の専門家が警告している。

一方、同国のジャイル・ボルソナロ大統領は、社会的距離など感染対策の推進を拒否している。

ブラジルの感染状況は、アマゾン川流域で最初に特定された「ガンマ株」と呼ばれる変異株など、従来株より感染力が高い変異株によって悪化してきた。先週には、1日に確認される新規感染者が平均7万人だった。

集中治療病床の使用率はほとんどの州で8割以上。一方、国内でワクチン接種を終えている成人は15%にとどまる。

7月となり南半球に冬が訪れると、さらに感染状況は悪化すると懸念されている。

ブラジルの研究機関フィオクルス財団は、「市中感染が危機的な状況になる事態に直面している(中略)冬の到来と共に今後数週間の内にさらに状況が悪化する可能性がる」と指摘している。

ツイッターでは、マルセロ・ケイロガ保健相が、「ブラジルと世界全体に影響するパンデミックで、50万人の命が失われた」として、亡くなった人たちの「父親、母親、友人、そして親類」と思いは一緒だと書いた。

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ブラジルでは死者数の7日間平均が今年3月以来、1500人以上で推移している。ブラジルの保健規制当局アンビサの元トップ、ゴンザロ・ベシナ氏は、ワクチン接種事業の遅れが多くの死者につながっており、今後もその影響は続くと話した。

「50万人が亡くなった。残念ながら、ワクチン接種率を上げるまでまだ時間がかかるので、死者は増え続ける。今年もまた厳しい1年になるかもしれない。ワクチンがいつ届くか次第だが、そもそもワクチンの購入が非常に遅れた」と、ベシナ氏は指摘した。

ボルソナロ政権への批判

19日にはブラジル各地で大勢が抗議集会に参加し、ボルソナロ政権を批判すると共に、ワクチン接種事業の展開を速めるよう要求した。

ブラジルでは多くの自治体が、ワクチン不足に苦労している。

ボルソナロ大統領は、感染対策のためロックダウンなど厳しい行動制限を実施すれば、経済への打撃はウイルス被害よりひどくなると主張している。その一方で、複数の国からワクチンを調達するためできる限りのことはしてきたとも繰り返している。

野党は、大統領が政治的な理由からワクチン購入を遅らせたと批判している。

ボルソナロ氏はパンデミック当初から、新型コロナウイルスによる感染症COVID-19を「ただの風邪」などとして軽視。自分が感染した後も、社会的距離の維持やマスク着用の効果に懐疑的な態度を続けている。

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