【ワシントン=船越翔】カナダ宇宙庁は、国際宇宙ステーション(ISS)の船外にあるロボットアームに宇宙ごみが衝突し、穴が開く事故が起きたと発表した。同庁はロボットアームの機能に影響はないとしているが、地球近傍の宇宙空間を飛び交う宇宙ごみの脅威が改めて浮き彫りになった形だ。
カナダが開発したロボットアームは長さ17メートル、直径35センチ。発表によると、先月12日に定期検査をしていたところ、アーム中央の関節近くに5ミリ・メートルほどの小さな穴を発見。穴の形状などから宇宙ごみとの衝突で生じたと判断した。
ロボットアームはISSの修理作業や補給船のISSドッキングなどに使われるが、同庁は「運が良かった。損傷の範囲は限定的で、予定通り活動を続ける」と強調した。
宇宙ごみは、運用を終えた衛星やロケットの一部などで、運用中の人工衛星などに衝突すれば故障につながる。同庁によると、2万3000個以上あるソフトボール以上の大きさの宇宙ごみは24時間体制で監視しているが、さらに小さなサイズになると位置の把握が難しいという。
米メディアによると、2016年には微小の宇宙ごみがISSにぶつかり、窓に小さな傷がついたこともあるという。
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