岸田文雄首相が10日に内閣改造・自民党役員人事を行う意向を固めたのは、「有事」に備えた体制を早期に構築する必要があると判断したためだ。閣僚や党所属議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が問題になっているうえ、安倍晋三元首相の死去で党内最大勢力の安倍派(清和政策研究会)の動揺も続いており、新たな布陣で難局に挑む考えだ。
体制を早く作って実行へ
「難局に対する体制はすぐに整える必要がある。人事をやるまでの期間を長くするより、体制を早く作って実行に移した方がいい」
首相周辺は5日、こう打ち明けた。ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、中国の覇権主義的な動きも強まる一方、新型コロナウイルスの感染拡大や物価高への対応も急務になっている。8月末には令和5年度予算の各省庁の予算要求の締め切りが予定されており、看板政策「新しい資本主義」関連も含め、新閣僚の下で予算要求ができる。
首相は7月の参院選に出馬しなかった二之湯智国家公安委員長と金子原二郎農林水産相は任期満了後も民間人閣僚として続投させた。ただ、9月27日には安倍氏の国葬(国葬儀)があり、国家公安委員長の交代が遅れれば警備などに影響が出る恐れもある。
旧統一教会関係閣僚「取り換える」?
政権にとっては旧統一教会の問題も懸念材料だった。一部の閣僚や党所属議員との関係が明らかになっており、閣僚経験者は「旧統一教会に関係している閣僚を取り換えるのではないか」と予測する。
首相は昨年の衆院選も当初想定された11月から前倒しし、10月に行った。迅速に人事も断行することで、主導権を握りやすくなる。9月まで判断を遅らせれば、各派閥からの入閣希望なども相次ぎ、さまざまな調整が必要になるためだ。
衆院選に続き、7月の参院選を乗り切ったとはいえ、首相が率いる岸田派(宏池会)は党内第4勢力で党内基盤が盤石というわけではない。安定した政権運営には最大派閥の安倍派の支持が欠かせない。ただ、安倍派は領袖を失い、派内の対立や分裂の可能性も指摘されており、早期の人事で収拾を図る狙いもあったとみられる。(田村龍彦)
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