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イスラエル空爆によるガザ地区の死者は、ハマスのロケット弾攻撃による過去25年間の死者を上回る - Newsweekjapan

<死者数の大きな差が示すイスラエル対パレスチナの戦いの非対称性と、それを正当化するイスラエルの多彩な理屈>

先週のパレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエルの空爆による死者は、ガザ地区を実効支配するイスラム系過激派組織「ハマス」のロケット弾による過去20年間のイスラエル側の死者を上回っている。

死者数のこの大きな差は、被害者は自分たちだというパレスチナ側の主張の説得力を強めるとともに、イスラエルに自制を求める世界からの声が高まる理由にもなっている。

パレスチナ側はこれまでも、犠牲者が多いのはイスラエルの武力行使があまりに行きすぎている証拠だと訴えてきた。一方イスラエルは、自国の防空能力が優勢でなければパレスチナ民兵の攻撃による犠牲者は実際よりはるかに多くなっていただろうと主張。また、パレスチナ民兵が身を隠すため、また宣伝のために故意に一般市民の中に紛れていると非難している。

イスラエル側のデータによれば、2000年から昨年までに、ガザ地区のパレスチナ人によるロケット弾攻撃で死亡したイスラエルの民間人は38人。一方、パレスチナ側は、今月10日から14日までにイスラエル軍の攻撃で122人のパレスチナ人が死亡したと主張している(パレスチナ側は一般市民と民兵を分けた数字を出していない)。

イスラエル外務省はウェブサイトで、2000年9月27日から今月5日までの「パレスチナによる暴力の犠牲者」リストを公開。本誌が調べたところ、このうちハマスの発射したロケット弾と関連して死亡したとされていたのは少なくとも16人(子供4人を含む)だった。

外国人労働者も巻き込まれ......

16人のうち12人が民間人で、2人はイスラエル軍関係者、2人は外国人労働者だった。ハマスが行ったとされる16回の攻撃のうち、15回はハマスが犯行声明を出している。

一度に30人の死者を出したパレスチナ側のロケット弾攻撃については、どの組織が行ったか明示されてはいないが、外務省は死者のうち約6人についてハマスが製造したロケット弾「カッサム」で死亡したとしている。また、少なくとも16人の死はガザ地区から打ち込まれた飛翔体と関連があるとされている。

04年にはガザ地区内にあったユダヤ人入植地(現在は解体されている)で、24歳の女性が何者かが撃った迫撃砲によって死亡している。

リストにはハマス以外のパレスチナ人組織のロケット弾攻撃による死者も含まれている。そのうちいくつかは、イスラム聖戦機構が犯行声明を出したものだ。少なくとも5人のイスラエル軍兵士を死に至らしめた携行式ロケット弾(RPG)の攻撃も、ガザ地区で働いていた中国人1人とパレスチナ人2人がカッサムロケットにより死亡した事件も、しかりだ。10年にタイ人労働者が1人、やはりカッサムロケットで死亡したが、これについてはファタハの軍事部門であるアルアクサ殉教者団やイスラム武装組織アンサール・アルスンナが犯行声明を出している。

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