台湾を巡り米中関係に新たな緊張が生じる中、バイデン米大統領は28日、中国の習近平国家主席とオンライン会談を行う。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
米中首脳の会談は３月以来となる。ペロシ米下院議長が８月上旬に台湾を訪問する可能性を議長のスタッフや米安全保障当局者は排除しておらず、米中関係は特に難しい岐路にある。
中国外務省の趙立堅報道官は25日、ペロシ氏の台湾訪問があった場合を想定し、中国として「真剣に準備」していると述べて米国側をけん制していた。
米国のバーンズ駐中国大使は６月に米中関係について、国交正常化に道を開いた1972年のニクソン大統領の訪中以来「最低」に悪化していると指摘。新型コロナウイルス感染から回復途中のバイデン大統領は、物価高騰を抑制するため中国製品への輸入関税の一部解除の是非を検討している。
事情を知る関係者１人によると、ペロシ氏が来月のアジア歴訪時に台湾に立ち寄ることは最終決定されていない。現職下院議長による訪台が実現すればギングリッチ氏以来となる。
中国側はペロシ氏が訪台を強行する場合には「断固とした強力な措置」を講じると表明し、両国間に「重大な影響」が及ぶと警告。中国は非公式の形でバイデン政権に対し、軍事的対応の可能性も含めて強い警告を発したと英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）は伝えている。
趙立堅報道官はペロシ氏の台湾訪問の場合に「生じる全ての重大な結果は米国側が負わねばならない」と述べた。
米国家安全保障会議（ＮＳＣ）のカービー戦略広報調整官は26日に記者団に対し米中首脳会談について、関税が「習主席との会談で主要な論点になるとは思わない」とコメント。両首脳は台湾を巡る緊張や米中間の競争を管理する方法を議論するとの見通しを示した。
原題：
Biden Will Speak to Xi on Thursday as US-China Ties Worsen（抜粋）
(関係者の話や背景を追加して更新します)
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