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ミャンマー国軍、民主化活動家ら4人の死刑執行 - 日本経済新聞

2015年10月、取材に応じるピョーゼヤートー氏

【ヤンゴン=新田裕一】2021年の政変で国軍が全権を掌握したミャンマーの国営紙は25日、テロ行為に関与したとして国軍が設置した軍事法廷で死刑判決を受けた政治犯ら4人の刑が執行されたと伝えた。ミャンマーでは30年以上、死刑が執行されていなかった。

死刑になったのは、民主化指導者アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)所属の元議員のピョーゼヤートー氏(41)と著名民主化活動家のチョーミンユ氏(53)ら。2人は国軍に対する抵抗を続ける市民の武装グループに提供する目的で武器や弾薬を隠匿したほか、民主派がつくった挙国一致政府(NUG)などと共謀してテロを指揮したとされた。

このほかにも男性2人に対し、女性を国軍の協力者だと疑って殺害した罪で死刑が執行された。現地の人権団体の政治犯支援協会(AAPP)によると、政変以降、被告本人の逮捕に至っていないケースを含め、100人以上が死刑判決を受けている。

ピョーゼヤートー氏は元ヒップホップ歌手。12年の補欠選挙にNLDから出馬して当選し、8年間下院議員を務めた。チョーミンユ氏は1988年の民主化運動を率いた学生リーダーの一人で、その後、複数回投獄されながらも「88世代」を代表する人物として民主化活動を続けていた。

国軍のゾーミントゥン報道官は6月初旬、「(4人の)死刑は定められた手続きに基づき、確実に執行される」と発言。これを受け、東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧米各国からも執行の中止を求める声が相次いでいた。

林芳正外相は25日、死刑執行について「深刻に憂慮する」とする談話を発表した。「国民感情の先鋭化による対立の激化や国際社会におけるミャンマーの更なる孤立を招く」とも指摘した。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、ミャンマーは死刑制度を残しているものの1988年以降は事実上執行を停止していた。国軍は、従来は死刑判決の異議申し立てがあると保留状態となり執行が停止されたが、今回は申し立てが却下されたと説明している。

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