【ブリュッセル=辻隆史】2日投開票のフィンランド議会選(定数200)は、中道右派の国民連合が第1党となった。北大西洋条約機構(NATO)加盟を手がけたマリン首相率いる中道左派の社会民主党は第3党に転落し、同氏は辞任する。国民連合も親NATO路線を掲げており、加盟方針は変わらない。今後は第2党の極右政党との連立協議が焦点となる。
地元メディアによると、国民連合が48議席を獲得。極右の「フィン人党」が46議席、社民党は43議席だった。
2019年に世界最年少の34歳でトップに就いたマリン氏はロシアのウクライナ侵攻後、NATO加盟交渉をけん引した。マリン氏らが掲げたNATO加盟方針は国内でも支持が高く、欧州連合(EU)で頭角を現した若手リーダーとして知名度が高かったが、選挙戦では膨らむ政府債務への対応策などが争点となった。選挙での敗北を受け辞任する。
国民連合のペッテリ・オルポ党首は財政再建をしなければ将来の福祉政策に響くと主張。現政権の対応は不十分で歳出削減が必要だと批判していた。国民連合は厳しい安全保障環境を踏まえ、NATOには積極的に関与していく方針だ。フィンランドはトルコの批准でNATO加盟が確定している。
フィンランドは一院制で任期は4年。大統領を別途、直接選挙で選ぶ仕組みをとる。現政権は社民党と複数党による連立政権で、今回はオルポ氏率いる第1党の国民連合を軸に連立協議が始まる。
多党制が特徴の同国では連立政権の樹立に時間がかかる可能性がある。社民党は選挙前、同党が負けた場合は国民連合との連立に前向きな方針を示していた。焦点は国民連合が選挙で存在感を示したフィン人党と連立を組むかどうかだ。
国民連合はフィン人党と連立交渉をする可能性を排除していない。EU懐疑派のフィン人党は移民の制限などを訴えているほか、EUの気候変動対策に異議をとなえている。連立協議の結果によっては、フィンランドのEU政策の修正につながる可能性がある。
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