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ロシア軍関連施設で相次ぐ不審火。反プーチン勢力「黒い橋」の犯行声明も - Newsweekjapan

<ロシアでは軍の関連施設などで火災が相次いでいる。最新のターゲットは戦車の訓練場。だが当局は、爆発と火災があったことさえ認めていない>

ロシア西部カザンで4月15日、戦車の訓練場で火災が発生したと地元メディアが伝えた。火災の前には爆発音が聞こえたという。

カザンはモスクワの西約700キロ、100万人以上が暮らす都市だ。ウクライナのネットメディア、キーウ・インディペンデントによれば、爆発音が聞かれたのは市の南部、戦車の訓練に使われている場所の近くだったという。

【動画】カザン当局が「知らない」と否定している大爆発

ロシアが「特別軍事作戦」ことウクライナ侵攻を開始したのは昨年2月。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は当初、短期間での勝利を見込んでいたが、今もロシア軍は期待通りの戦果を挙げるには至っていない。春を迎え、ウクライナはロシア軍に支配されている地域を奪還すべく、反転攻勢の準備を行っているとみられている。

15日午後の時点で、カザンの火災の詳細はほとんど分からないままだった。ロシア当局は考えられる火災の原因について黙して語らないばかりか、火災によるけが人や死者の有無についても明らかにしていない。

そもそもロシア当局は、報道されたような火事の報告は受けていないとの立場だと、地元メディアのインカザンは伝えている。動画も撮影されているのにだ。

インカザンによれば、周辺住民はメッセージアプリのテレグラムに「大きな爆発音」が聞こえたと投稿、爆発の発生を伝えたという。自宅アパートが揺れたとの投稿もあった。

反政府勢力が「犯行声明」を出した例も

カザン市内で煙が高く立ち上る動画も15日朝にソーシャルメディアに投稿されている。

「カザンの住民は戦車の訓練場近くで強力な爆発が起きたと伝えている。地元当局はいつも通り、全てを否定している」と、ベラルーシの報道メディア、ネクスタはツイートした。

地元当局は10月、プーチンが9月に出した部分動員令を受けてウクライナでの戦闘に動員された一部の住民がカザンに送られたと明らかにしている。ちなみに部分動員令が出されたのはウクライナの反攻のさなか。この反攻でウクライナは、北東部ハルキウ州の大半を奪還した。

今回の火災の原因は分かっていないが、ウクライナ侵攻が始まって以降、ロシアでは軍などの関連施設で火災が相次いでいる。

3月には、大陸間弾道弾(ICBM)トーポリMの発射装置などロシア軍向けの兵器を製造している工場で出火。地元当局によれば、建物から7人が救助されたという。

同じく3月には、ウクライナとの国境に近いロシア南部の都市ロストフナドヌーで、連邦保安局(FSB)が使用している建物で火災が発生。「黒い橋」と名乗る反プーチン派勢力が犯行声明を出した。この火災では少なくとも4人が死亡、5人がけがをした。

また昨年12月には、モスクワのクレムリン近くの軍の関連施設でも火災が起きている。

本誌はロシア外務省に電子メールでコメントを求めたが回答は得られていない。

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