香港紙創業者の黎氏も収監民主派大物 - 産経ニュース

　【台北＝矢板明夫】香港の西九竜裁判所は３日、詐欺罪で起訴された香港の大手紙、蘋果（ひんか）日報の創業者、黎智英（ジミー・ライ）氏の保釈申請について、「逃亡の恐れがある」ことを理由に却下した。黎氏はその後、収監された。香港メディアは、次回の審理が行われる２０２１年４月まで勾留（こうりゅう）される可能性が高いと伝えている。

　黎氏は香港メディア界を代表する経営者の一人で、民主化運動を応援し、一党独裁の中国共産党政権を批判する論客としても知られる。今年８月、「外国勢力と共謀して国家の安全を脅かした」として香港国家安全維持法（国安法）違反の疑いで逮捕されたが、その後、保釈された。

　２日に警察に出頭した黎氏は「創業したメディア集団の事務所を別の関係会社が不正使用していた」などを理由に詐欺罪で起訴された。同メディア集団の幹部２人も同時に起訴されたが、２人の保釈が認められた。

　中国と香港当局は最近、香港の民主派への締め付けを一層強化している。１１月中旬に４人の民主派の議員の資格を剥奪したほか、２日に民主化活動家の周庭（アグネス・チョウ）氏と黄之鋒（ジョシュア・ウォン）氏に対し、それぞれ禁錮１０月と１３月半の実刑判決を下した。

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