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「第2のアラブの春」勃発の兆候…サウジアラビア孤立、揺らぐムハンマド皇太子支配 - Business Journal

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サウジアラビアの首都リヤド(「Getty Images」より)

 バイデン米政権は2月26日、「2018年にサウジアラビア人ジャーナリストのカショギ氏が殺害された事件について、サウジアラビアの事実上の支配者であるムハンマド皇太子が殺害を承認した」とする報告書を公表した。報告書はトランプ前政権下でまとめられていたが、サウジアラビアが米国製武器の大口受注先であり、イランと敵対する同盟国であることから、その公表は見送られていた。

 これに対しサウジアラビア政府は同日、「報告書は間違っており、受け入れられない内容である」と反発、ムハンマド皇太子の関与を改めて否定したが、「米国との関係は強固で永続的なものである」と友好的な姿勢も示した。

 ムハンマド皇太子はトランプ前大統領と電話会談することが多かったが、バイデン氏は25日、サウジアラビア首脳との電話相手にサルマン国王を選んだ。首脳会談に先立ち2月19日にオースティン国防長官がムハンマド皇太子と電話会談を行った。

 バイデン政権は、報告書の公表に伴い事件に関与したサウジアラビアの元高官ら76人への制裁措置を発表したが、ムハンマド皇太子は制裁対象に含めなかった。「ムハンマド皇太子を制裁対象にすれば、あまりに複雑な事態を招き、サウジアラビアに駐留する米軍の利益を危うくしかねない」との判断からだとされている(2月27日付CNN)が、民主党から激しい反発の声が上がっている。米ニューヨークタイムズ紙も2月28日、「今や世界はムハンマド皇太子の両手が1人のジャーナリストの血にまみれていることを知っている」と非難した。

 ブリンケン国務長官も、報告書の公表直後に「私なら、サウジアラビアにこれ以上の武器を売らず、彼らに代償を支払わせ、実態通りの『パーリア(嫌われ者)国家』に指定する」と厳しい姿勢を示している。

 バイデン政権は、発足直後からサウジアラビア主導のイエメン内戦への支援を打ち切り、サウジアラビアに対する一部の武器売却の凍結を命じている。

 ムハンマド皇太子は2015年3月、アラブ諸国(スンニ派)の指導者であることを示すとの狙いから、イエメン内戦への軍事介入を決定した。ムハンマド皇太子の呼びかけに応じ、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタール、ヨルダン、エジプト、スーダンなどが参戦したが、戦況が泥沼化したことから、他のアラブ諸国は次々と撤退した。巨額の軍事費を投入したのにもかかわらず、地上軍の投入による人的損害を恐れて、空爆に頼った戦術では一向に戦果が挙がらない。サウジアラビア軍は最近弾薬不足に悩んでおり、米軍の支援がなくなれば戦況は一層悪化することだろう。

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