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メーガンの爆弾発言は、女王の国でも白人の国しか視聴できない? - Newsweekjapan

<王室の人種差別を告発したメーガン妃の番組が、英女王を君主に戴く英連邦王国の有色人種の国々では放映されないことがわかった。背景には一部の女王離れがあるのかもしれない>

英ヘンリー王子とメーガン妃が王室による人種差別を訴えたインタビュー番組は、エリザベス2世を元首たる国王とする英連邦王国のうち12カ国では放送されない。

1995年のダイアナ妃のインタビュー以来、王室のインタビューとして最も注目を浴びたこの番組で、ヘンリー王子とメーガン妃は司会のオプラ・ウィンフリーに、王室のあるメンバーが生まれてくる2人の子供の肌の色の黒さを懸念する発言をした、と語った。

この驚くべき発言は、イギリスで人種差別に関する激しい議論を引き起こした。調査を要求する声はもちろん、君主制の廃止を求める声さえあがっている。

ゴールデンタイムに放映されたこの2時間の特別番組は、5つの大陸にまたがる22のテレビ放送網が放映権を獲得しているが、女王が国家元首を務めるカリブ海や大洋州の英連邦王国12カ国のテレビ局には放映権がない。

具体的には、カリブ海のアンティグア、バーブーダ、バルバドス、バハマ、ベリーズ、グレナダ、ジャマイカ、セントルシア、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーン諸島。そして大洋州のパプアニューギニアとソロモン諸島だ。

女王の国から脱却

夫妻が主張したこれらの深刻な問題が、英連邦王国の一部、とくにエリザベス女王を国家元首とする体制の廃止が議論されている国々に与える影響は大きい。

バルバドスは昨年9月、君主制からの脱却を宣言し、サンドラ・メイソン総督は「植民地支配の過去を完全に手放す時がきた」と宣言した。

2012年、当時のジャマイカの首相ポルティア・シンプソン・ミラーは、同国を共和国にすると述べた。ただし、今のところそれはまだ実現していない。

エリザベス女王を君主とする国は現在16カ国だが、そのうちインタビューの放映権を買ったのはイギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアのテレビ局で、いずれも白人が多数を占める国々だ。

ウォールストリート・ジャーナル紙によると、カリブ海や大洋州の一部の国のテレビ局が放映権を獲得していない理由は明らかではないが、オプラ・ウィンフリーの制作会社ハーポ・プロダクションズはこの番組の放映権を700~900万ドルでCBSに売却した。ガーディアン紙によると、イギリスではITVニュースが140万ドルで放映権を獲得した。

理由が何であれ、放映権が限定されているということは、イギリスの旧植民地という歴史的経緯からエリザベス女王を国家元首としたことの是非が議論されている国の国民が、このインタビューを視聴できないことを意味する。

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