米SpaceXは5月5日(現地時間)、米テキサス州で宇宙船「Starship」の高高度飛行テストを行い、高度約10kmからの垂直着陸に成功した。3月に行った同様のテストでは着陸後に爆発したが、今回は爆発もなく、同社のイーロン・マスクCEOは自身のTwitterアカウントで成功を宣言した。
Starshipは地球軌道の他、月や火星への惑星間航行を目的に、SpaceXが開発を進める巨大宇宙船。2023年には民間人を載せて月を周回する計画で、ZOZO創業者の前澤友作さんが搭乗する予定。
今回打ち上げられたのはStarshipの「SN15」(serial number 15)というプロトタイプ。直径は約9m、高さは約50m、重量は1200トン。過去に打ち上げた4機のプロトタイプはいずれも着陸に失敗しているが、同社はプロトタイプを実際に打ち上げることで、改善のためのデータを収集する手法を取っている。
SN15は液体メタンと液体酸素を燃料とする「ラプターエンジン」を3基搭載。このエンジンと、機体の前方と後方にそれぞれ2枚備えた翼をフライトコンピュータで制御し、垂直着陸に成功した。着陸後に爆発した3月のテストと同様に、着陸直後に一部から炎が漏れ出る様子もみられたが、程なくして炎は消えた。着陸後の炎について、YouTubeで飛行テストを実況したSpaceXのエンジニアは「われわれが利用しているメタン燃料の場合は異常ではない」と話した。
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