ルワンダの裁判所は20日、1994年に起きた大虐殺の際に避難した人々を救ったとして英雄視され、映画「ホテル・ルワンダ」のモデルになった元ホテル支配人ポール・ルセサバギナ氏(67)について、武装組織を創設した罪などで禁錮25年の有罪判決を言い渡した。AFP通信などが伝えた。ルセサバギナ氏と弁護人は出廷しておらず、控訴するとみられるという。
報道によると、判決では、2018~19年に同国で銃や爆弾を使った襲撃を引き起こした武装組織をルセサバギナ氏が創設したと認定。同氏が組織を経済的に支援していたことなども指摘された。一方、同氏は裁判を「不公平で独立性に欠ける」などと批判し、3月以降は出廷を拒んでいたという。検察側は九つの罪で同氏を起訴し、終身刑を求めていた。
カガメ政権は、政敵を拘束したり脅迫したりするなど強権的な手法を人権団体から繰り返し指摘されており、ルセサバギナ氏も「独裁的」と批判していた。同氏は96年にルワンダを去り、ベルギーや米国で暮らしてきた。しかし昨年8月、ドバイからブルンジに向かう飛行機だとだまされてルワンダ行きの飛行機に乗り、当局に逮捕されたという。
ルセサバギナ氏の家族や支持者たちは、同氏がドバイで拉致されたと主張。裁判についても、「政治的な動機に基づく見せ物だ」と批判しているという。
ルワンダでは94年、多数派民族フツの民兵らが少数派民族ツチや、同じフツの穏健派を襲う大量虐殺が起き、約3カ月の間に80万人以上が犠牲になったとされる。ルセサバギナ氏はこの間、首都キガリのホテルで1200人超のツチらをかくまったとされる。05年には、米国で民間人に対する最高の勲章である「大統領自由勲章」を授与された。(遠藤雄司)
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