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【主張】タリバン暫定政権 恐怖政治を再現するのか - 産経ニュース

アフガニスタンの実権を握ったイスラム原理主義勢力タリバンが、暫定政権の閣僚を発表した。主要ポストはタリバンの中心メンバーが就き、女性は入らなかった。

旧タリバン政権(1996~2001年)で、女性弾圧や娯楽の禁止を主導した「勧善懲悪省」を復活させた。

タリバンの密室体制、恐怖支配は、今回の組閣を見ても、何ら変わらない。治安や人権状況悪化への懸念は一層強まった。

国連安全保障理事会はアフガンに「女性を含め、全ての勢力を代表する新政府の樹立」を求め、タリバンは一時、これに前向きともとれる発言をしてきたが、結局は果たさなかった。

過激組織が政治勢力として内外の承認を得るため、権力掌握の過程で融和路線に転じることはある。だが、今回の人事を見れば、タリバンにそうした期待を抱くのは楽観的過ぎるということだ。

タリバンの内部対立が先鋭化した結果であるなら、より危険な事態である。

閣僚の顔ぶれでは、最強硬派「ハッカニ・ネットワーク」を率いるシラジュディン・ハッカニ師が内相代行となったことが、極めて重大だ。

ハッカニ師は、米国人が巻き込まれた過去のテロ事件に関与したとして、米連邦捜査局(FBI)の指名手配リストに名前がある。米中枢同時テロを起こした国際テロ組織アルカーイダとのつながりもあり、米国務省が同師らを念頭に「経歴に懸念がある」と表明したのは当然と言える。

タリバンは昨年2月の米政府との和平合意で、アフガンを再び「テロの温床」にしないと保証した。だが、こうした人物を政権中枢に据えるようでは、その約束は極めて危うい。

最高指導者はアクンザダ師とされ、声明で「新政権はイスラム法を守るため全力を尽くす」と宣言した。同師はこれまでほとんど姿を見せたことがない。指導部に謎が多い人物が並ぶのもタリバンの大きな欠陥だ。

タリバン政権の承認が望ましくないのは明らかである。

気がかりなのは、8月の自衛隊機派遣による国外退避作戦で救い出せなかった在留邦人やアフガン人協力者である。

日本政府は、退避の実現に力を尽くさなくてはならない。

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