ロシア西部の州にウクライナ側の工作員が侵入し発砲で死者が出ているなどとして、ロシア大統領府の報道官はテロリストを排除するための対応が行われているなどと主張しました。一方、ウクライナ側はロシアの典型的な挑発行為だなどとしてウクライナ側の関与を否定しています。
ウクライナと国境を接しているロシア西部のブリャンスク州の知事は2日、SNSで「州内の国境近くの村でウクライナ側の工作員が侵入して発砲し、住民1人が死亡し、10歳の子どもがけがをした」と主張しました。
また、ロシアの複数の国営メディアは、州内の別の国境近くの村でもウクライナ側の工作員が住民を人質にとって立てこもっているなどと伝え、ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁が対応に乗り出したと報じています。
これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は2日、「テロリストがこの地域を攻撃し、それを排除するための対応が行われている」と主張しました。
そのうえで、国防省やFSBがプーチン大統領に状況を報告しているとして、プーチン大統領はこの対応にあたるため、2日に予定されていた地方視察を中止したとしています。
これに対し、ウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターに「工作員が侵入したとするロシアの主張は、典型的な挑発行為だ」などと書き込み、ウクライナ側の関与を否定しています。
ウクライナと国境を接するロシアの州では、これまでもたびたび、石油施設などで爆発が起き、ロシア側は、ウクライナ軍が越境攻撃を行っていると非難しています。
ロシアのプーチン大統領は2月28日、FSBに対して、ウクライナや欧米側によるロシアへのスパイ行為や破壊工作が増えていると主張し、対策の強化を指示していました。
プーチン大統領 ウクライナ側を激しく非難
一方、ウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターに「工作員が侵入したとするロシアの主張は、典型的な挑発行為だ」などと書き込みウクライナ側の関与を否定しています。
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