トラス英首相は２日、国内で物議を醸す所得税の最高税率引き下げについて、クワーテング財務相による決定だと発言し、市場が混乱する中でも政府の方針を貫く考えを示した。ＢＢＣとのインタビューで語った。
トラス首相は、与党保守党大会の開催中に政策の責任を財務相に負わせるという異例の対応を行った。挑戦的姿勢は、首相のリーダーシップだけでなく、財務相と共に推進する経済対策への与党内の怒りをさらにあおり、週明け３日の取引再開後に市場を再び動揺させる恐れがある。
英紙テレグラフによれば、バーミンガムで２日開幕した保守党大会では下院議員らの反発が広がり、重鎮のゴーブ元住宅・地域社会相もこれに加わったことで、最高所得税率を45％から40％に引き下げる案の採決は延期が避けられそうにない。
複数の政府関係者が同紙に語ったところでは、クワーテング財務相が11月23日に発表する中期の財政計画で財源が確認されるまで、採決は行われない見通しだ。
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事情に詳しい関係者によると、クワーテング財務相は与党議員による造反回避のため、最近数日のうちに25人前後の下院議員と話し、経済が直面する問題解決に減税案が役立つと説得に動いたという。
クワーテング財務相（バーミンガム、10月２日）
Photographer:Hollie Adams/Bloomberg
ゴーブ下院議員は、高額所得層が恩恵を受ける案を議会の採決で支持しないと立場を明確にしており、他の多くの保守党議員も最大野党・労働党に付け入る隙を与えると批判している。
光熱費高騰に苦しむ家計や企業への支援で政府債務の水準が既に上昇している時期に大型減税を借り入れで賄うことに加え、最高所得税率引き下げが生計費危機の下で低所得層より高額所得者を優遇する印象を与えることが、与党内で反対を招く大きな理由だ。
関係者によれば、減税案を支持できない一部議員は保守党大会への出席を見合わせており、住宅ローン金利上昇や福祉支給の減額を心配する選挙区の有権者からの膨大なメールへの対応に追われることになりそうだ。
保守党は、世論調査の支持率で労働党に大きくリードを許している。大型減税を柱とする与党の補正予算案を巡る混乱を受け、総選挙の早期実施を求める議会への請願書に40万人分を超える署名が集まった。
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請願書の署名は、議会審議が検討されるために必要な10万人分を優に上回った。ポンドの対ドル相場が最安値まで急落し、住宅ローン商品の提供取りやめといった影響も広がる中で、政府の経済運営に対する有権者の怒りを反映している可能性がある。
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原題： Truss Says Her Government Mishandled Announcement on UK Tax Cuts､ Kwarteng Trying to Head Off Tory Rebellion Over Tax Cut Debacle､
Petition for Immediate UK Election Passes 400,000 Signatures (1)､
Truss Says It Was Kwarteng Who Decided to Cut UK’s Top Tax Rate（抜粋）
(与党内の反応などを追加して更新します)
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