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ジョンソン氏動向焦点 イギリス与党党首選、28日までに決着 - 日本経済新聞

【ロンドン=中島裕介】20日に辞意を表明した英国のトラス首相の後任を選出する与党・保守党の党首選で、モーダント下院院内総務が21日、立候補を表明した。スナク元財務相の出馬も有力視されている。ジョンソン前首相の動向も焦点だ。同党は28日までに新党首を選ぶ。

モーダント氏は自らのツイッターで「党の団結や、国益に基づく政権を望む同僚たちの支援に勇気づけられた」と述べ、党首選に立候補すると宣言した。同氏は女性初の国防相の経験もあり、前回の党首選では105票の議員票を集めて善戦した。

党首選を運営する保守党の有力組織「1922年委員会」は20日、立候補には党所属の下院議員357人のうち100人の推薦を必要とするルールを定めた。党首選は最大3人の争いとなる。

英国時間24日の午後2時に立候補の受け付けを締め切り、候補者が3人の場合には同日中に議員投票で2人に絞り込む。その後、28日まで一般の党員によるオンラインでの決選投票を行い、同日に結果が発表される。

候補者が1人だけなら、24日に新党首が決まる。9月上旬まで2カ月弱かけた前回とは異なる短期決戦となる。スナク氏は前回の党首選では最も多くの議員票を集めたが、党員票による決選投票でトラス氏に敗れた。党員が納得できる経済政策を示せれば、後任首相の座に近づく。

相次ぐ不祥事で9月に首相から退いたジョンソン氏が出馬するかどうかも注目を集める。党員の人気は今でも根強く、勝利すれば、異例の短期間での首相返り咲きとなる。議員と党員の双方からの信望が厚いウォレス国防相は21日、自らの出馬を否定し、ジョンソン氏支持の方向に「傾きつつある」と語った。

どの候補が勝利しても、厳しい政治状況は変わらない。複数の世論調査で、保守党は20%台の支持率に低迷し、50%台の最大野党・労働党に30ポイント以上後れをとる。国内経済は10%を超える記録的なインフレ率に苦しみ、景気後退の回避が難しい状況だ。

一方でトラス政権が大規模減税策で金融市場を混乱させたため、財政に頼った政権浮揚策は難しい。失った党への信頼を回復し、2025年1月までにある次期総選挙で保守党政権を維持できるめどはたっていない。

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