米フロリダ州マイアミ近郊で一部が崩落した住居ビルが4日夜、立ち続けていた棟も含めてすべて爆破解体された。熱帯性低気圧が接近する中、捜索活動の安全性を確保するためという。解体前に、建物内に遺体がなく、動物もいないことは確認したという。
同州サーフサイド市にある12階建ての集合住宅「シャンプレイン・タワーズ・サウス」は6月24日、一部が崩落。これまでに24人の死亡が確認され、121人が安否不明となっている。
残った建物も不安定で、熱帯性低気圧が接近しているため、解体時期が早められた。建物内に遺体がないことは確認されていた。
マイアミ・デイド郡のダニエラ・カヴァ=レヴィーン郡長はさらに、解体前に熱画像カメラを搭載したドローンを使い、建物内に取り残されたペットを探したと説明。建物内に動物は残っていないことを確認したと話した。
爆薬による解体作業の間、がれきはビニールシートで覆われ保護されていた。
がれきの捜索活動は、解体作業を前にいったん中断されたが、解体を終えて安全を確認した後、まもなく再開されると、カヴァ=レヴィーン氏は記者会見で話した。
カリブ海を北上中の熱帯性低気圧「エルサ」は6日にも、フロリダ州に最接近するかもしれないと懸念されている。
ビルの一部が崩落した直後以降は、がれきの中から生存者は見つかっていない。
カヴァ=レヴィーン郡長は当初、シャンプレイン・タワーズの解体は7月末になる見通しと話していたが、2日に解体命令に署名した。
現場のあるサーフサイド市のチャールズ・バーケット市長は、暴風雨によって残る建物が倒壊するおそれがあり、そうなればまだ生存者の捜索が続く場所にがれきが落下してしまうと説明した。
専門家によって制御された解体作業によって、捜索チームが作業できるがれきの範囲が広がると、市長は話していた。
解体を前にカヴァ=レヴィーン郡長は近隣住民に、屋内にとどまり、完了後も少なくとも2時間は窓を開けないように呼びかけていた。シャンプレイン・タワーズ・サウス周辺で他の建物への退避指示はなかった。
カヴァ=レヴィーン氏は、「特にビルに最も近い箇所で捜索範囲を拡大するため」解体作業は不可欠だと話していた。
郡長は安否が不明の住民の家族をいたわり、退避を余儀なくされた住民は「生活をそっくりそのまま残してくる」しかなかったと話した。
家族たちには、解体作業に備えて捜索作業を一時中断すると、前もって説明してあった。
築40年のシャンプレイン・タワーズが崩落した原因は明らかになっていない。
しかし、サーフサイド市が26日に公表した建築コンサルタント会社の2018年の報告書が、「大きな構造上の損傷」を指摘していたことが明らかになった。
このビルの管理組合は、「法的措置や苦情を管理する独立した受け入れ態勢」を整えるとしている。
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