ミャンマー国軍が民主派勢力を弾圧し、抗議デモはその勢いを奪われた。だが、国軍への「不服従運動」は続いている。一方、国内では新型コロナウイルスの感染が急拡大している。国が大混乱するきっかけとなった国軍によるクーデターから、8月1日で半年がたつ。
国軍の徹底弾圧、追い打ちの新型コロナ
「軍を刺激しないよう注意したのに、なぜ指名手配されたのか」。匿名で取材に応じた歌手が振り返る。歌手は最大都市ヤンゴンを拠点とする人気芸能人。クーデターに抗議するデモ隊に食事を差し入れる姿などを自身のフェイスブックに投稿していたが、4月に「国家の安定を脅かした」として指名手配された。
6月に国軍が歌手ら著名人24人の訴追を取り下げると知ったが、身を隠し、フェイスブックは4月以降、更新していない。「悔しいが、国軍の支配を終わらせるのは簡単ではない」
人権団体によると、7月30日現在、市民939人が国軍側に殺害され、6990人が逮捕された。著名人すら指名手配される現実は、国軍のなりふり構わぬ弾圧姿勢を象徴する。大規模デモはなくなり「フラッシュモブ」と呼ばれる短時間の散発的なデモに変わった。
一方、職場を放棄して抗議の意を示す「不服従運動」。連日、職場復帰が呼びかけられ、食べていくために戻った人もいる。
だが…
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