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【主張】英軍艦の黒海航行 国際秩序の擁護を見習え - 産経ニュース

黒海を航行中の英海軍駆逐艦に対して、ロシアが「領海侵犯」を理由に警告射撃や警告爆撃を行ったと発表した。英国はウクライナ領海の無害通航だったと反論した。

ロシアが自国の領海とした海域は、2014年に武力併合したウクライナ南部のクリミア半島沖だ。国際社会はロシアの領海と認めていない。英国の主張に説得力がある。

日本は英駆逐艦の航行を、はるかかなたの出来事とみるだけではいけない。ロシアのクリミア不法占拠を認めない「航行の自由」作戦だったからだ。

ロシアは18年にはクリミア沖で、ウクライナ艦艇3隻を拿捕(だほ)するなど、併合の既成事実化を図っている。今春以降、ウクライナとの国境付近に陸軍部隊を集結させ緊張を高めている。

英国は有力な海洋国家だ。自国から遠くても、クリミア半島と黒海の一部がロシアによって不当な状態に置かれている点を問題視し、「法の支配」に基づく国際秩序を擁護しようと行動した。ジョンソン英首相は「国際法、国際秩序を守るためウクライナの領海を航行した」と語った。

日本も海洋国家で、英国とは価値観を共有する。国際秩序を守ろうと行動した英国を見習って、北方領土交渉や南シナ海問題の対応に生かしたい。

ロシアの前身の旧ソ連は、第二次大戦末期に日ソ中立条約を破って北方領土に侵攻した。不法占拠が続いている。力を背景に現状変更を図った点で、北方領土とクリミアの問題は同根だ。2つのロシアの国家犯罪を追及すべきだ。

南シナ海もそうである。中国はこの海域の大半に自国の支配が及ぶと強弁している。暗礁を埋め立てて人工島を造り、領有権が及ぶと唱えている。これも「力による現状変更」の動きだ。オランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年7月、国際法に反するとして、中国の主張をはっきりと退けた。

今回の英駆逐艦は、北東アジアに向かっている英空母打撃群の一隻だ。8月頃には南シナ海で「航行の自由」作戦を実施する。英国よりもはるかに南シナ海に近く、はるかに多くの船舶を航行させているのが日本だ。

「自由で開かれたインド太平洋」実現のためにも、日本は南シナ海で自衛隊による「航行の自由」作戦を行うべきである。

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