スティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長、ミンスク
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領ほど、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領をよく知る人物は少ない。
独裁的な政治スタイルのルカシェンコ氏は、ロシアの強固な同盟者であり、プーチン氏の「特別軍事作戦」を支持している。世界の大半の国はこの軍事行動を「ウクライナでのロシアの戦争」と呼んでいる。
プーチン氏は1年前にウクライナへの本格侵攻を開始してから、西側のジャーナリストのインタビューに応じていない。
しかし、ルカシェンコ氏は16日、ベラルーシの首都ミンスクで、BBCなどの少数の外国メディアの取材に応じた。
「あなたは昨年、自国がロシアの侵攻の中継地として使われるのを許した。再びそうする用意があるのか」とのBBCの質問には、ルカシェンコ氏はこう答えた。
「その通り、用意はできている。再び(国土を)提供する用意がある。ベラルーシの領土から、ロシア軍と共に戦争をする用意もある。だが、誰かが、それがたとえ兵士1人だろうと、私の国民を殺す武器を持って、そこ(ウクライナ)からこちらの領土に入った場合だけだ」
ロシアとベラルーシの軍事協力は強化されている。共同訓練を実施し、軍事グループを形成している。しかし、ルカシェンコ氏はこれまでのところ、ロシア軍と共に戦うためにウクライナに軍隊を送ることはしていない。
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ルカシェンコ氏はこの日のインタビューを利用し、ウクライナでの戦争をめぐって、西側諸国が争いをあおっていると非難。そして、プーチン氏を思わせるような核の脅しを述べた。
「このままエスカレートすれば、核兵器を手に入れることになる。そしてロシアは、誰よりも多く持っている」
「だから、これはもうやめるべきだ。核戦争が始まったらベラルーシは消滅する。交渉を始めなくてはならない。核戦争はアメリカも消滅させるからだ。誰もこんなことを必要としていない」
ルカシェンコ氏は1年前、ロシアのウクライナ侵攻を手助けした。しかし今や、和平交渉に貢献できると主張している。
アメリカのジョー・バイデン大統領が来週、ポーランドを訪問する予定なのをとらえ、ルカシェンコ氏はその時期が和平交渉の開始に格好だとの考えを示した。
「(バイデン氏を)ベラルーシに招待する。ワルシャワからそう遠くない。30分でミンスクだ。専用機を着陸させていい。ロシア大統領にも来てもらうよう説得する。バイデン同様、彼(プーチン氏)もミンスクに招待する。私たちは席に着き、合意に至るだろう」
バイデン氏はこの招待を断るだろう。ルカシェンコ氏は現在の戦争において、誠実な仲介者とはみなされていない。
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