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EU委員長 ロシアの戦争犯罪訴追に向け、証拠収集センター設置へ - 毎日新聞

ウクライナのゼレンスキー大統領(右)と握手するフォンデアライエン欧州委員長=キーウで2023年2月2日、ロイター 拡大
ウクライナのゼレンスキー大統領(右)と握手するフォンデアライエン欧州委員長=キーウで2023年2月2日、ロイター

 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らEU幹部十数人が2日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を巡り同国の政府高官らと相次いで協議した。フォンデアライエン氏はゼレンスキー大統領と会談し、ロシアの戦争犯罪に関する証拠収集のための「国際センター」をオランダ・ハーグに設置する意向を表明した。

 3日にはフォンデアライエン氏とミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)のEU両首脳と、ゼレンスキー氏によるEU・ウクライナ首脳会談が開かれる。

 国際センターでは、ロシアの戦争犯罪を訴追するために必要な証拠の収集や保管を行う見込み。フォンデアライエン氏はゼレンスキー氏と2日に会談した後、共同記者会見で「ロシアはその悪質な犯罪について法廷で責任を負わなければいけない」と訴えた。

 ウクライナや欧米諸国では、ロシアを「侵略の罪」で裁くべきだとの声が強い。ロシアの戦争犯罪については、すでに国際刑事裁判所(ICC)が捜査を開始しているが、ロシアはICC非加盟のため実際に訴追するのは難しいとみられる。このため、EUは、ロシアを裁くための「特別法廷」の設置を検討している。

 フォンデアライエン氏は会見で、侵攻から1年を迎える今月24日の前に、10回目となる対露制裁の実施を目指す方針も示した。これに対し、ゼレンスキー氏は「欧州による制裁のペースが少し遅くなっている」と指摘し、迅速な制裁強化を求めた。

 一方、EUのボレル外務・安全保障政策上級代表(外相)は2日、シュミハリ首相と会談。ボレル氏はウクライナ軍兵士に対する訓練を新たに1万5000人追加して実施することや、地雷除去のための2500万ユーロ(約35億円)を支援することを明らかにした。【ブリュッセル岩佐淳士】

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