インドで開かれる主要２０か国・地域（Ｇ２０）外相会合への林外相の出席が、危ぶまれている。外務省が海外渡航の了承を参院に打診したものの、与野党が２０２３年度予算案審議への出席を優先すべきだとして、難色を示しているためだ。
「外交日程も重要だが、新年度予算の審議は出席がマストだ」
自民党の藤川政人・参院予算委員会筆頭理事は２７日、国会内で記者団に、林氏の外遊は認めないとの考えを示した。立憲民主党の斎藤嘉隆参院国会対策委員長も「立法府としての立場から、国会での対応を優先していただきたい」と記者団に語った。
予算案は２８日に衆院を通過後、３月１日に参院予算委員会で実質審議入りする予定だ。１、２日は首相と全閣僚が出席する「基本的質疑」が行われ、３日は首相、財務相と、要求された閣僚が出席する「一般質疑」が行われる方向だ。
林氏が基本的質疑に出席すれば、１～２日に開催されるＧ２０外相会合には参加できない。３日はインドで日米豪印４か国の協力枠組み「クアッド」の外相会談の開催も調整中だ。野党が３日に林氏に答弁を求めることを検討しており、参院自民党からは林氏のクアッド外相会談出席も難しいとの見方が出ている。
外務省は林氏が出席できない場合、副大臣を派遣する方針だ。
与野党が外交日程よりも予算案の審議を優先するよう求めるのは、国会の慣例を踏まえたものだ。
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