人道危機が続くガザ地区では、境界を接する隣国のエジプトから支援物資を搬入したり、住民を避難させたりするための人道回廊の設置に向けた動きが進んでいますが関係国の調整には時間がかかっています。
アメリカのブリンケン長官は、エジプトなどと協議し、ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所が支援物資を運び込むために開放される予定だと明らかにしていますが現時点で搬入は確認されていません。
エジプト政府はラファ検問所から支援物資を搬入する用意はできていてエジプト側の検問所は通常どおり開いているが、検問所のガザ地区側がイスラエル軍による攻撃などで機能していないため、搬入ができないとしています。
また、エジプトのシュクリ外相は、エジプト側は検問所を開けていると強調した上で「イスラエル政府は支援物資をガザ地区に入れるために必要な対応も、外国人の退避に必要な対応も行っていない」として、イスラエル側の協力が必要だとの認識を示しました。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相の上級顧問を務めるマーク・レゲブ氏はNHKとのインタビューでラファ検問所はエジプトとガザ地区の境界にあり自分たちは管理していないと強調しました。
その上で「すべての物資が支援を必要とする人のもとに届くという確信がない。ハマスがガソリンをロケット弾の発射に利用するおそれもある。過去には住宅建設のためのセメントが地下通路に使われ、配水管はロケット弾に転用された」として支援物資が住民に届かず、ハマスに利用されるおそれがあるとの懸念を示しました。
その上で「各国と協力して、実現可能な枠組みを探るべく、取り組んでいる」と述べ、安全を確保した上で物資の搬入をいかに進めるのか各国と調整していることを明らかにしています。
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